2017年3月15日(水)
核兵器禁止条約交渉会議
保有・傘下国は参加を
平和首長会議が公開書簡
162カ国・地域の7200以上の都市が加盟する平和首長会議は14日、27日から始まる核兵器禁止条約交渉会議を前に、「交渉に参加の意向を示していない核保有国及び、その核の傘の下にある国々に対しては、この交渉に積極的に参加するよう強く要請する」とする公開書簡を発表しました。
書簡は、総人口が10億人を超える組織を代表し、核兵器を禁止し廃絶するという共通の目標を再度強調したいと表明。核兵器禁止のために多国間条約に関する交渉に参加しようとしているすべての国の代表者に対し、その洞察力と指導力に敬意をしめしています。
今最も必要とされているのは、国々が核兵器を持たないようにするための方策であり、地球上から核兵器を完全に消滅させるという目標に向けて、一歩踏み出さなければならないと強調。「その一歩は、核兵器の法的禁止であり、これこそが目標に向けての重要かつ不可欠な転換点になります」と指摘しています。
各国外相も次々発言
核兵器全廃が第一 インドネシア
インドネシアのルトノ外相は13日、首都ジャカルタで開かれた核不拡散条約(NPT)関連会合で、「核兵器が存在する限り、その使用による破滅の危機は常にある。だからこそ核兵器の全面廃絶が第一の目標であるべきだ」と述べ、核兵器禁止条約の重要性を強調しました。
ルトノ氏は、NPTに加盟していない核兵器保有国がある現状に触れ、「核兵器を禁止する条約を論議することが極めて現状にふさわしい」と指摘しました。
同国外務省のハサン多国間問題局長は会合で、インドネシアが核兵器禁止条約の草案を起草するための作業グループ立ち上げに向けて努力中だと述べました。
インドネシアは非同盟運動の創設国の一つで、核軍縮分野の調整担当国を務めています。
日本の参加を要求 オーストリア
14日付の英字紙ジャパン・タイムズによると、オーストリアのクルツ外相は、「世界で唯一の被爆国である日本は道徳的な意見を持ち、核軍縮に関して計り知れないほど有益な見解を示すことができる」「日本の見解を聞く機会を歓迎する」と語り、3月27日から始まる核兵器禁止条約を交渉する国連会議への参加を日本政府に求めました。