2017年3月14日(火)
安倍首相「原発事故」に言及なし
震災追悼式に福島から怒りの声
「甚大な被害受けている」
安倍晋三首相が11日の東日本大震災の政府主催の追悼式の式辞で原発事故に一言も触れなかったことに、被災者、国民の批判が強まっています。
福島県の内堀雅雄知事は13日の記者会見で、安倍首相の態度に対し「県民感覚として違和感を覚えた」と語りました。内堀知事は、福島第1原発の事故により「福島県は甚大な被害を受けている。それは過去形ではなく、現在進行形だ」と指摘。「『原発事故』『原子力災害』という重い言葉は欠かすことができない」と苦言を呈しました。
同県浪江町から東京都北区に避難している女性(74)は「安倍首相は各地の原発再稼働を進め、海外への輸出も進めています。被災者の気持ちに寄り添う復興なんて全く考えていないことが表れています。とんでもない首相です」と厳しく批判します。
安倍首相の原発事故を無視する対応に続き、今村雅弘復興担当相が12日のNHK番組で、原発事故の自主避難者について「故郷を捨てるのは簡単です。戻って頑張っていくんだという気持ちを持ってもらいたい」などと発言。原発事故の被災者をはじめ、福島県民、国民から「帰りたくても帰れない気持ちに寄り添わない」と怒りの声が上がっています。
2011年3月11日に発生した福島第1原発の未曽有の過酷事故はいまだに収束せず、事故の検証も全く進んでいません。流れ込む膨大な地下水によって、際限のない汚染水の増加が続いています。事故による福島からの避難者はいまだに8万人近くに及びます。