2017年3月12日(日)
「悲しさ 変わらない」
亡き人思い各地で追悼
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災害関連死を含め2万1000人を超す死者・不明者を出した東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から6年となった11日、岩手、宮城、福島各県を中心に各地で追悼式が行われ、亡き人をしのび、遺族らが手を合わせました。
津波に襲われ町職員ら43人が犠牲になった宮城県南三陸町の防災対策庁舎には次々と人が訪れました。いとこで町課長だった男性=当時(60)=が今も行方不明という男性(65)は「兄弟同然に育った。もうすぐ定年だったのに…。七回忌だが遺骨も見つからず、悲しい気持ちは変わらない」と声を落としました。
骨組みだけが残る庁舎は、2031年までの保存に向け、塗り直しなどの補修を終えたばかりです。
身元不明者の70の遺骨が眠る岩手県大槌町の町営納骨堂を妻(63)と一緒に訪れた男性(68)は、兄の男性=同(69)=が行方不明のままです。孫たちを先に逃がし、家と共に津波に流されたとみられます。震災後に生まれた男性の孫は昨年、幼稚園に入りました。「会いたい思いが消えることはない。新しく生まれた孫にも会わせたい」。男性はそっと手を合わせました。
4月までに帰還困難区域以外の避難指示が解除される福島県浪江町では犠牲者182人の氏名が刻まれた碑の除幕式があり100人を超す遺族が出席。広野町の追悼式では、付近で復旧工事に従事する労働者も手を休めて黙とうする姿がありました。