2017年3月11日(土)
和平協定履行されず
井上氏 南スーダンから撤退要求
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日本共産党の井上哲士議員は9日の参院外交防衛委員会で、南スーダンPKO(国連平和維持活動)をめぐり、同国のキール政権のもとで、民族間の虐殺の危険が広がり、政府高官や政府軍幹部の辞任が相次いでいる事態を示し、日本政府の認識をただすとともに自衛隊の撤退を求めました。
日本政府は昨年12月、キール政権が「国民対話」の方向性を打ち出し事態改善をはかっているとして、南スーダンへの武器輸出禁止の国連安保理決議案に棄権しました。
井上氏は、国連のアダマ・ディエン事務総長特別顧問が声明で「キール大統領は暴力を止めると約束したが、衝突が続いている」(2月7日)と述べたことを紹介。同政権の「国民対話」に実質的に反政府派が参加できていない現状を示しました。
その上で、稲田朋美防衛相の「キール大統領を中心にしっかりと政府の体をなしている」(2月20日)とした答弁を追及。この間南スーダン政府の高官や政府軍幹部らが、「大統領や政府軍幹部が和平協定の履行を組織的に妨害し、他の民族への虐殺を行っている」と抗議し、辞任が相次いでいると指摘。「部族ごとの武力勢力がいくつも組織され、キール政権は全土を統治できず、一紛争当事者となっている。日本のPKOの中立性は崩れている」とただしました。
稲田氏は、南スーダン政府は機能していると強弁。「首都ジュバは比較的落ち着いており、国連と基本的に認識は異ならない」と述べました。