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2017年3月11日(土)

きょうの潮流

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 海と山に抱かれた宮城・南三陸。今月、かつての町の中心部に新しい商店街が開場しました。地元産のスギを使った施設には仮設で営業していた30店舗ほどが並びます▼訪れた日は人気テレビ番組の収録もあって大にぎわい。鮮魚店の店主は「子どもたちの笑顔を見ると、こっちも元気になる。早く活気を取り戻したい」。周りはかさ上げされた更地がひろがり、砂ぼこりの中を重機やダンプが動き回ります▼東日本大震災から6年。津波によって流された三陸の町並みは進み具合に差はあるものの、少しずつ姿を変えています。一方で多くの住民が、街づくりに声が届かない、人が減っている現状への不安を口にします▼旧雄勝(おがつ)町で半世紀近く営んできた青果店が今月末で店を畳みます。地元で親しまれ、震災後も被災地や仮設住宅を回って感謝されてきました。しかし高台への移転が進まず、高齢による心配も重なって継続をあきらめました▼活性化に一役買う若者もいます。女川町にできた商業施設の一角にあるギター工房。そこで働く20代の青年は「新しい女川でつくったギターを全国や世界にひろげたい」。石巻市では先月、多様な市民が集まり街の将来を考えるシンポジウムが開かれました▼住まいや生業(なりわい)の再建の遅れ、医療や介護の負担増。必死に前を向こうとする被災者に復興のゆがみが暗い影を落としています。震災直後から奔走してきた日本共産党の三浦一敏・宮城県議はいいます。「人間の復興なくして地域の再生もありえない」


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