2017年3月10日(金)
教育勅語、国民主権と相いれず
参院委で吉良氏 政府の認識問う
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戦前の軍国主義教育の支柱となった教育勅語を教え込む森友学園の教育や勅語を肯定する稲田朋美防衛相の発言が問題になる中、日本共産党の吉良よし子議員は9日参院文教科学委員会で、政府の認識を問いました。
吉良氏は、教育勅語をめぐっては、1948年に衆院で「排除」、参院でも「失効確認」の決議をあげたと指摘。「いまの学校等でも、教育勅語を指導原理とした教育はあってはならない」とただしました。
松野博一文科相は「法制上の効力は喪失している」とし、「教育勅語を国の教育の唯一の根本とするような指導は不適切だ」と答弁しました。
吉良氏は、46年10月にも教育勅語を「今後は読まないことにする」とした文部次官通牒(つうちょう)が出されたと紹介。勅語が掲げる「徳目」は「重大事態があれば天皇のために命を投げ出せ」という結論につながり、子どもたちを戦場に送る役割を果たしたと語りました。
吉良氏は、勅語が天皇を主語とし国民を「臣民(君主に支配される人民)」と呼ぶなど、国民主権とは相いれないと指摘。「戦前の痛苦の反省から生まれた憲法のもとで、教育勅語が失効したのは当然だ」と述べ、現憲法のもとで基本的人権を尊重した教育を守り進めることが重要だと強調しました。