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2017年3月9日(木)

ストップ共謀罪

大垣署市民監視事件 私の声、警察は圧殺

県側は公安の実態隠し

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 「共謀罪」の先取り「大垣警察市民監視事件」の国家賠償請求訴訟の第1回口頭弁論が8日、岐阜地裁(武藤真紀子裁判長)で開かれました。4人の原告は「なぜ私が監視され、企業に私の情報が流されるのか。これを認めれば、国民の声、行為が圧殺される」と、警察による市民監視の理不尽さを訴えました。


写真

(写真)「警察の市民監視ゆるさない」「『共謀罪』法案断固反対」のカードを持ってアピールする原告(前列左側の4人)と弁護団=8日、岐阜市内

岐阜地裁 弁論で原告

 被告の岐阜県は争う構えです。しかも「今後の情報収集活動に支障が生じる」などとして、原告4人を監視したことを認めもせず否定もしませんでした。

 こうした県の姿勢について、原告側の小林明人弁護士が「公安警察の実態を明らかにしないという態度を許せば裁判は成り立たない。『警察は治外法権です』と言っているのに等しい」と批判。裁判長の訴訟指揮で、認否を明らかにさせるよう求めました。

 原告の1人、三輪唯夫さんが意見陳述。「収集した私の個人情報を一民間企業に教え、反対運動の芽をつませ、地区から孤立させることに加担し、生活を守ろうとした私の行動を『反社会的な過激な行動』と企業に間違って伝え、企業を洗脳した」と、大垣署の一連の行動を糾弾しました。

 三輪さんは「今回の裁判は、声を上げることの大切さ『もの言う自由』を取り戻すための裁判だ」と強調しました。

 原告側弁護団長の山田秀樹弁護士が監視の違法性について4点((1)市民運動への意図的な抑圧(2)「不偏不党かつ公平中正」を定めた警察法2条2項に反する(3)法的な根拠がない(4)「公共の安全と秩序の維持」にあたらない)をあげました。

共謀罪許さない

集会でアピール

 裁判後の報告集会には、傍聴者や支援者ら約140人が参加しました。

 参加者からは、安倍内閣が法案の国会提出を狙う共謀罪に言及する発言が相次ぎました。

 山田弁護団長は「共謀罪の眼目は、警察権限の拡大によって市民運動つぶしができることだ。その先取りが大垣警察市民監視事件。風力発電の勉強会が『治安をみだす行為』とされ、原告4人が『組織犯罪集団』になるだろうとマークされていた」と指摘しました。

 原告の船田伸子さんは「監視されたことがわかり、人の目を気にする自分がいる。人を信頼して本音を打ち明けられなくなる監視の怖さ、共謀罪の怖さがある」と語りました。

 集会では、共謀罪法案の国会提出に反対するアピールを採択しました。

 大垣警察市民監視事件 中部電力の子会社が計画する風力発電所に反対する三輪唯夫さんと住職の松島勢至さんが地元で勉強会を開いたことを機に、岐阜県警大垣署の警備課課長らが子会社に三輪さんらの個人情報を伝え、住民運動つぶしの相談をしていた事件。相談は2013年8月から14年6月にかけて4回行われ、運動と無関係だった近藤ゆり子さんと船田伸子さんも“メンバー”として、大垣署が2人の情報も提供していました。子会社作成の議事録で相談の内容が14年に報道で明るみに出ました。


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