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2017年3月9日(木)

過労死ゼロどころか助長

「働き方」政府案 家族の会代表ら

衆院委で参考人質疑

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 今国会の焦点の一つとなっている長時間労働規制についての衆院厚生労働委員会の8日の参考人質疑では、安倍政権が進める「働き方改革」について、複数の参考人から「逆流させる議論だ」(川人博弁護士)など批判が相次ぎました。

 政府は2月、残業時間の上限を月100時間、2カ月平均80時間という案を示しました。過労自殺した電通の高橋まつりさんの遺族の代理人も務める川人弁護士は「耳を疑った」と強調。「全く納得できない。反対だ。月100時間残業しなければ倒産するような会社があるのか。人命よりも会社の存続が優先されるようなことがあっていいのか」と厳しく批判しました。

 電通の過労自殺が労災認定されて以降、多くの企業で三六協定があっても残業時間を月80時間以下に抑える流れが生まれているとし、「今が青天井だから規制がないよりましという議論があるが、今回の案が通れば、よりましどころか時間短縮の流れを逆流させる」と強調しました。

 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表世話人は、2014年の過労死防止法の議論の際に意見陳述に立ったことに触れ、「まさか3年後に過労死ゼロどころか、過労死を助長する月100時間残業合法化、労働時間規制を緩和する高度プロフェッショナル制度、裁量労働制拡大の法改正が国会に提出されるとは。向かう方向が逆です」と指摘。夫が過労自殺した無念にも触れ、「命より大切な仕事はない」と訴えました。

 残業代ゼロ法案は取り下げるべきだとして、高度プロフェッショナル制度は「自由な働き方と言えるか」とたずねた日本共産党の高橋千鶴子議員に、川人弁護士は「使用従属の関係、指揮命令の関係は裁量労働でも高プロ制度でも変化はない。一部分をとって自由だとすり替えている」と語りました。


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