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2017年3月7日(火)

主張

北朝鮮のミサイル

経済制裁と一体に外交で迫れ

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 北朝鮮がまたもやミサイルの発射を強行しました。世界と地域の平和と安全に深刻な脅威を及ぼし、国連安保理の諸決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙であり、強く抗議します。国際社会には、経済制裁の厳格な実施とともに、外交交渉を通じて北朝鮮に非核化を迫ることがいよいよ求められます。

「戦略的忍耐」の見直し

 北朝鮮への制裁決議の実施状況を調べている国連安保理の専門家パネルは、準備している年次報告書の中で、多数の決議破りの実例を示しました。報道によれば、北朝鮮は、武器の取引が禁止されている下でも、外交官やダミー企業を利用して武器関連の取引を続けています。金(キム)正(ジョン)男(ナム)氏とみられる人物の殺害事件の舞台となったマレーシアにもそうした企業がありました。金融制裁をすり抜け資金を得るさまざまな方法が残っています。

 中国政府は先月、北朝鮮産石炭の輸入を年末まで止めると発表しました。制裁決議の実施の不十分さを各国は抜本的にあらためる必要があります。

 同時に不可欠なのは、北朝鮮への新たな外交的な働きかけです。

 米国のオバマ前政権は、経済制裁を行う一方、北朝鮮が非核化の意思を示さない限り交渉には応じないという「戦略的忍耐」の政策をとってきました。ところがその下で北朝鮮の核・ミサイル開発はさらに進みました。この事態を受けトランプ新政権は、対北朝鮮政策の見直しに着手し、軍事力行使から外交的解決までさまざまな選択肢を検討すると表明しています。

 先制攻撃などの軍事行動を行う選択肢をとった場合、おびただしい犠牲が出ることは避けられず、その選択肢は、絶対にとるべきではありません。「戦略的忍耐」の方針を転換するなら、外交交渉により北朝鮮の核兵器、ミサイル開発の手を縛り、放棄に向かわせる―。この方向で米国を含む国際社会が一致結束して進む必要があるし、日本政府は、そのための働きかけをするべきです。

 北朝鮮はミサイル発射に先立ち、米韓合同軍事演習に対抗措置をとると表明していました。軍事対軍事のエスカレートです。日本の政府・与党の中にも、攻撃される前に敵のミサイル基地などをたたくという敵基地攻撃能力の議論が進んでいます。

 しかし2月の北朝鮮のミサイル発射後の国連安保理の報道向け声明は、「朝鮮半島と周辺の緊張を減らすために活動する重要性」を強調しています。危険な軍事対応の激化ではなく、「対話を通じた平和的、包括的な解決を促進する取り組み」(同声明)こそ、抜本的に強めなければなりません。

暴走を止め、非核化を

 北朝鮮のミサイル発射が非難されるのは、それが核兵器の開発と不可分に結びついた軍事行動だからです。その核兵器を世界的に禁止する条約に関する国連の会議がいよいよ27日から始まります。

 先月の準備会合では、「核兵器使用の威嚇というタブーが薄れ、違法な核実験が連続している」と強い懸念が示され、「核兵器が二度と使われないようあらゆることをすべきだ」と強調されました。北朝鮮の暴挙を止め非核化を迫るうえでも、この会議の成功が極めて重要となっています。


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