2017年3月5日(日)
共謀罪阻止へ運動発展
自衛隊の国民監視訴訟勝利 仙台で終結集会
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自衛隊の国民監視を断罪した画期的な仙台高裁の勝利判決を確定させた自衛隊国民監視差し止め訴訟を振り返り、今後の運動に生かす終結集会が4日、仙台市で開かれ、100人を超す市民が参加しました。
原告団の後藤東陽団長は「初め、4人で始まった訴訟だが、支援の輪が広がって勝利することができた」とたたかいを振り返り、「憲法9条が戦争の波に押し流されかねない状況だ。この訴訟が、国民がそれに気づくきっかけになればと思う」と力を込めました。弁護団からは小野寺義象事務局長が、支援する会からは伊藤博義代表があいさつしました。
同訴訟にも関わった3人の弁護士が、自衛隊訴訟の意義を語りました。
平和的生存権を認める判決を勝ち取った自衛隊イラク派兵名古屋訴訟弁護団の中谷雄二弁護士は、「共謀罪」の危険性を強調。自衛隊の国民監視は、それを浮き彫りにしたと指摘しました。
自衛隊南スーダンPKO違憲訴訟弁護団の佐藤博文弁護士は、隊員と家族の人権が侵害されていることを訴訟で明らかにしていきたいと強調しました。
内藤功弁護士が、戦後の自衛隊訴訟の歴史的経過を話し、今後の自衛隊の活動に一定の制限を与えたと成果を評価し、「この経験を語り広め、南スーダン訴訟、共謀罪阻止のたたかいで発展させていこう」と呼びかけました。
集会では、元情報保全隊員のメッセージが紹介されました。
自衛隊国民監視差し止め訴訟 自衛隊イラク派遣に反対する市民運動を自衛隊が監視していたことが、日本共産党が公表(2007年6月)した陸上自衛隊情報保全隊の内部文書で発覚しました。監視された東北6県の住民が、監視の差し止めを求め訴えたものです。一審の仙台地裁は12年3月、原告5人に対する違法性を認めました。控訴審では、元情報保全隊長や情報保全室長の証人尋問を実現。16年2月2日、国に原告1人について賠償を命じる判決を下し、国が上告を断念(16日)して判決が確定しました。