2017年3月3日(金)
「豊洲移転できない」
築地 青果仲卸2団体が方針転換
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東京都築地市場(中央区)を、高濃度の有害物質で土壌汚染された東京ガス豊洲工場跡地(江東区)に移転する計画をめぐって、青果仲卸2団体が連名で「食の安心・安全が担保されない限り、豊洲市場への移転はできない」とする文書を組合員に配布していたことが2日、本紙の取材で明らかになりました。これまで豊洲移転計画に協力してきた両団体の大きな方針転換です。
文書を出したのは、築地本場青果卸売協同組合(略称・マル中組合、山田安良理事長、71業者)、東京築地市場青果仲卸協同組合(マル本組合、増山春行理事長、26業者)と、両組合でつくる青果仲卸豊洲市場対策本部の3団体。
「重要」の判が押された2月25日付「お知らせ」文書は、「今後、豊洲市場に関して小池都知事の安心・安全宣言及び農水省の認可が下りたとしても、都民及び日本国民の豊洲市場に向けられた目は非常に厳しいものがあります」「食の安心・安全が担保されない限り、豊洲市場への移転は出来ないと言う認識の基に、両組合としての運営を進めてまいります」としています。
マル中組合関係者は本紙の取材に対し、「従来は豊洲移転を前提に都に要求を出してきた。しかし、いくら『豊洲が安心・安全だ』といっても、消費者が買ってくれなければ商売にならない。文書は、仲卸組合の気持ちを伝えたものだ」と説明しています。