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2017年3月1日(水)

人権無視の“病”世界に

国連事務総長ら対策強化訴え

人権理事会が開幕

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 国連のグテレス事務総長は27日、「人権無視という病が各地に広がっている。国連人権理事会が治療法の一部にならなければならない」と語り、欧米などでみられる移民・難民への差別や蔑視、人権侵害に警戒し、対策を強化するよう訴えました。ジュネーブの国連欧州本部で開幕した人権理事会で演説しました。(島田峰隆)


 トランプ米政権が一部のイスラム圏国家からの入国を禁止したり、欧州諸国で極右が伸長したりするなかで、国連幹部が名指しを避けつつも、相次いで懸念や批判を表明する開幕となりました。

 グテレス氏は「われわれは人種差別主義、外国人嫌い、反ユダヤ主義や反イスラム主義、不寛容を利用した大衆迎合主義や過激主義をますます目にしている」と強調。「最良の予防策は世界人権宣言とそれを基にした条約だ」と語り、「人権の積極的な促進」を各国に呼び掛けました。

 具体的には、紛争や貧困を逃れてきた移民や難民について「国際社会は責任逃れをしてはならない」と受け入れを要請。トランプ米大統領が拷問を認める発言をしたり、記者会見から一部メディアを排除したりしたことを念頭に「拷問復活の要求には断固として抵抗しなければならない」と力を込めました。

 ポルトガル出身のグテレス氏は、1974年まで40年以上続いた独裁体制下で生まれました。同氏は「私は24歳になって初めて民主主義を知った」と述べ、独裁体制下では「市民的、政治的権利だけでなく社会的、文化的、経済的権利が否定され、社会のあらゆる面が後退した」と警鐘を鳴らしました。

 ザイド・フセイン国連人権高等弁務官は、国連創設後の70年余りに人権に関する条約が締結されるなかで「植民地支配や人種隔離が取り除かれ、独裁が撤回され、自由な報道が再び認められた」と指摘。トランプ政権が人権理事会からの脱退を検討していると報じられたことに関し、「普遍的な人権を攻撃したり、それを支える国際機関からの脱退を示唆したりする指導者は、過去70年の世界の到達点を学んだ方がいい」と述べました。

 トランプ氏の言動に抗議して就任翌日の1月21日に世界で行われたデモ行進について、「私のスタッフが参加したことを誇りに思う。われわれは人権のために立ち上がらなければならない」と呼び掛けました。


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