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2017年3月1日(水)

きょうの潮流

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 「薄黒い雪のような灰が3日間断続的に降ってきた」。1954年にアメリカが太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で6回強行した核実験。マグロ漁船・第二幸成丸の甲板員だった桑野浩さんの証言です▼「薄黒い雪」は放射性降下物・死の灰です。神奈川・浦賀漁港に戻ると、放射能計測器をもった係員が船と魚だけ検査しました。「肝心の人は計測しなかった」▼中学を卒業して食事係として53年からマグロ船・第七大丸に乗った藤田義行さん。「水平線が真っ赤になっているのをみた」先輩らは「病気で早く死んでいるのは事実だし、検査のために血の一本もとられなかった」▼アメリカがその年に核実験したその威力は合計で広島型原爆の3000倍。地球的規模で放射能汚染させた大罪です。核実験の継続を最優先させた米国政府。それに従い第五福竜丸以外の被災漁民の被ばくを60年も隠し続けた日本政府▼勇気をもって国家賠償訴訟に立ち上がった桑野さんら。32人の元乗組員と亡き仲間が味わった出来事、国の仕打ち…隠された真実は、単行本『ビキニ核被災ノート』に。日米両政府により消され、隠された人権・人道問題を戦後史の表に呼び戻した記録です▼核兵器禁止条約の交渉会議が開かれる画期的な世界の情勢。「『核の無用化』への一歩となっていく時代の幕開け」(あとがき)です。同書は、核実験国の国際的責任を追及し、アメリカや日本政府に交渉会議のテーブルにつくことを求める、核実験被害者からの告発文書です。


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