2017年2月27日(月)
なんだっけ
治安維持法って何?
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Q 共謀罪が「現代版治安維持法」と呼ばれることがあるけど、治安維持法って何?
A 戦前の絶対主義的天皇制のもとで政府が気にくわない主張や活動をする団体をつくることや、そのメンバーになることを“犯罪”とした法律です。1925年につくられました(45年10月廃止)。
Q 政府の気にくわないことって?
A 処罰対象は「国体を変革すること」「私有財産制度の否認」などとなっています。
当時の絶対主義的天皇制のもとでは、民主化を求めることは弾圧対象でした。治安維持法は、「国体を否定しまたは神宮もしくは皇室の尊厳を冒とく」として処罰対象にしているので、国や宗教について、政府と違う考えを持つことも許さない規定です。政治や労働、文化運動にとどまらず、多くの宗教者も弾圧されました。あいまいな規定のため、当時の特高による乱用と拡大解釈で、誰でもが“容疑者”になりえました。
Q 罰則は重かったの?
A 2回の改悪が行われ、最高刑は死刑まで引き上げられました。“有罪”判決を受けて、刑期満了になっても“再犯”しそうな人を拘束する「予防拘禁」もありました。警察が人の思想・信条にいったん目をつけたら、徹底して圧殺できる仕組みです。
Q 犠牲者はどれくらいいるの?
A 検束・勾留された人は数十万人にのぼります(表)。命を落とした人は、氏名が特定できるだけで500人余りいます。
(2017・2・27)