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2017年2月27日(月)

“共謀罪と呼ぶのは誤り”と首相言うが

共謀罪 11年前と同じ

要件変わらず、口実崩壊

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 安倍政権は、実際には起きてもいない“犯罪”について、2人以上で「話し合い、計画」しただけで罪に問う「共謀罪」法案を、来月上旬にも閣議決定しようとしています。政府内では「テロ等準備罪」と名称を変え、対象の犯罪を当初の600超から277に“絞り込み”をしていますが、法案提出前から法案の口実が崩れています。(矢野昌弘)


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 1月24日の衆院本会議。安倍首相は今回提出を狙う法案について「これを共謀罪と呼ぶのは全く誤りであります」と語気を強めました。

 安倍首相が過去3度廃案になった「共謀罪」とは“別物”だという理由は二つ。

 「テロ等準備罪」法案は(1)対象を「組織的犯罪集団」に限定(2)「犯罪の実行の準備行為が行われたとき」があって初めて処罰の対象となるから。この2要件があるから「共謀罪」ではないというのです。

 しかし、3度目の共謀罪法案の際、2006年6月に出された最終修正案に、この2要件が盛り込まれていました。

 文言を並べてみると、06年案は「組織的な犯罪集団」「犯罪の実行に必要な準備その他の行為が行われた場合」となっており、2要件とも文言まで11年前とほぼ同じ。対象犯罪を“絞り込む”のも、その時と同じ手口です。

 さらに国会審議では、「組織的犯罪集団」についての政府見解も“一変”。当初、「そもそも犯罪を犯すことを目的としている集団でなければならない」(安倍首相、1月26日衆院予算委)と答弁していました。ところが、2月16日、法務省は「目的が犯罪を実行することに一変したと認められる場合には、組織的犯罪集団に変わり得る」との見解を示しました。

 つまり捜査当局の判断で“一変”したと認めれば、一般の団体・市民も対象となりうるのです。

 日本弁護士連合会は17日に「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」を発表しました。

 意見書は「組織的犯罪集団」などの要件をあげ「要件が付加されたとしても、従前の共謀罪法案と同じく、犯罪を実行しようとする意思を処罰の対象とする姿勢に変化はない」とのべ、共謀罪となんら違いがないことを強調しています。


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