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2017年2月22日(水)

共謀罪 手口は同じ

10年前・619→116 安倍内閣・676→277

対象犯罪減っても危険変わらず

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 政府は「共謀罪」法案の対象犯罪を原案の676から277に絞り、閣議決定・国会提出を狙っています。こうした対象犯罪“減らし”による本質隠しは過去の「共謀罪」法案で自公政権が用いた手口です。対象犯罪が減っても、その危険性は少しも変わりません。(矢野昌弘)


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(写真)緊急国会前行動で共謀罪に反対する人たち=21日、衆院第2議員会館前

 「さあさあ、『共謀罪』法案だよ。対象犯罪676といきたいところだが、277でどうだ」

 「共謀罪」法案を通過させるために自公政権が持ち出してきた対象犯罪“減らし”は、まるで「バナナのたたき売り」を連想させます。

 3度目の「共謀罪」法案(2009年廃案)では、当初、対象犯罪が619でした。

 しかし、国民の反対が強く、自公政権は民主党(現、民進党)に対象犯罪を306に絞り込む案の修正協議を持ちかけたものの決裂。自民党は07年に党内の「条約刑法検討に関する小委員会」で、法案の修正案づくりをしています。

 そこでは、対象犯罪を(1)116(2)139(3)146にするという3パターンがつくられました。いずれも対象犯罪を原案の4分の1以下にしています。

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(写真)立命館大学の松宮孝明教授

 しかし、憲法が保障する思想・良心の自由を侵す共謀罪の危険な本質はそのままで、国民の批判は収まりませんでした。

 そのため、この修正案は国会に提出されることなく、法案自体も廃案となりました。

 今回の277への対象絞り込みも10年前の二番煎じといえるものです。

 法案提出に反対する国会内での学習会(16日)で立命館大学の松宮孝明教授は「テロにつながりそうな犯罪、例えば爆発物取締罰則には共謀罪があり、銃刀法では所持を処罰できる。重大犯罪ほど現行法で対応できるのだから、対象を重大な犯罪に絞れば絞るほど、ますます『共謀罪』がいらなくなる」とのべました。

 昨年、改悪された盗聴法をみても導入当初、対象犯罪が限定され、捜査機関に厳しい要件が課されていました。4類型の組織犯罪に限られていた盗聴対象に、改悪によって9種類の一般犯罪が加わりました。要件も捜査機関に使い勝手のよいものに大幅緩和されました。

 松宮教授は「『ともかく、一つだけでも共謀罪を作らせて』という説明に気をつけなければいけない」と指摘。「いろんな法律で『小さく産んで、大きく育てる』が行われ、治安維持法も拡大が繰り返された。小さいうちにつぶすことが大事だ」と呼びかけています。


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