2017年2月18日(土)
論戦ハイライト
リニア優遇 地方は廃線
鉄路維持、国の責任で
国の逆立ち行政、本村議員追及
「大もうけしているJR東海のリニア建設への支援ではなく、実際に困っている方がいる切実な地方路線への支援こそ必要だ」。日本共産党の本村伸子議員は17日の衆院予算委員会で、赤字確実のリニア事業に巨額融資をする一方で、地方路線の廃線は放置しつづける国の姿勢をただしました。
赤字確実事業支援
JR東海は、「国鉄分割・民営化」(1987年)の際に想定されていた「適正利益」1%を大幅に上回る、売上高経常利益率36%という巨額のもうけをあげています。
本村氏は、国鉄分割・民営化の際、JR東海には「ドル箱」といわれる東海道新幹線が譲渡され、JR誕生のときから優遇されてきたと指摘。そのうえ、JR東海自身が「絶対にペイ(金銭的に見合うことは)しない」(2013年当時の山田佳臣社長)と認めた赤字確実のリニア事業には、国が低利・固定・長期で3兆円もの財政投融資を行っていることや、アメリカのリニアへの調査費への税金投入の実態を示し、次のように批判しました。
本村 特定の企業にあからさまな優遇をしてもいいのですか。
安倍晋三首相 低金利の状況を生かしていくのは当然だ。
本村 強いものばかり応援するのはおかしい。
地方の廃線は放置
一方で、地域の基盤である鉄道の廃線は相次いでいます。2000年度以降、全国で39路線771・1キロの鉄道が廃線になりました。
本村氏は、JR北海道が10路線13区間(1237・2キロメートル)を自社単独で維持できないと発表するなど、全区間の半分が廃路の危機になっていることを指摘。麻生太郎財務相が「国鉄を7分割して黒字になるのは(JR東海、東日本、西日本の)三つで、他のところは(黒字に)ならないと当時からみんな言っていた」(8日の衆院予算委)と答弁していることを示し、「もともと国鉄分割・民営化のやり方が間違っていたのだから、国が主体となって(JR北海道を)支援するのが当然だ」と迫りました。
安倍首相は「国は(すでに)累次にわたって支援を行っている」などと答弁。本村氏は、国鉄分割・民営化の際に自民党が出した新聞広告(図)で、“「民営分割ご期待ください」「ローカル線もなくなりません」”と約束していたことをあげ、次のようにただしました。
本村 今のJR北海道の事態は、約束と違う。
首相 JR北海道・四国・貨物等々に対する支援は行っていかなければならない。
本村氏は、国が責任をもって地方路線を維持するよう強く求めました。
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