2017年2月15日(水)
前文に「国を愛する態度」
文科省が学習指導要領改定案
文部科学省は14日、小中学校の学習指導要領と幼稚園教育要領の改定案を公表しました。「第1章総則」の前に「前文」を新設、改悪教育基本法第2条を明記し「国を愛する態度」など20項目の徳目を掲げます。子どもたちに求められる「資質・能力」を国として定め、その育成のための指導方法、学習評価のあり方まで細かく示し、いっそう教育現場を縛るものとなっています。
幼稚園教育要領でも「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明示しました。「我が国の国歌に親しむ」が新たに加わりました。
学習指導要領はおおよそ10年ごとに改定されており、改定案は、昨年12月の中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)「答申」を受けてのもの。前回改定は、2006年12月の教育基本法改悪後の08年です。
改定案は「資質・能力」について(1)知識・技能(2)思考力・判断力・表現力等(3)学びに向かう力・人間性等―の三つに整理。すべての教科等の冒頭に、三つの柱に即して「資質・能力」の育成の目標を示します。
「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」を強調。その方向を細かく規定したうえで、各学校に「カリキュラム・マネジメント」(教育課程の編成、実施、改善)を迫ります。
「特別の教科 道徳」は先行して15年3月改定され、18年度から小学校で、19年度から中学校で全面実施。検定教科書を使い、数値化はしないものの記述による「評価」が行われます。
文科省は3月15日まで意見募集を行い、年度内に改定学習指導要領を官報告示。小学校2020年度から、中学校21年度から全面実施するとしています。