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2017年2月9日(木)

豊洲問題 強力な権限で究明を

百条委設置が焦点に

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 東京都政を揺るがしている、築地市場(中央区)の豊洲(江東区)への移転問題。疑惑究明に不可欠な、強力な調査権限を持つ百条委員会の設置が焦点となっています。一貫して設置を要求してきた日本共産党都議団は6日、設置を再提案。真相解明を求める世論に押され、これまで反対してきた民進党や一部の自民党都議からも設置を求める声が上がっています。

 (細川豊史、東京都・川井亮)


写真

(写真)記者会見する党都議団。左から尾崎あや子、清水ひで子、大山とも子、曽根はじめ、かち佳代子の各議員=6日、都庁

問われる都議会

 「都議会が真相究明の役割を果たすことができるかどうかが、鋭く問われている」。共産党都議団の大山とも子幹事長は6日、百条委の設置を提案した会見でこう強調しました。

 小池百合子知事は昨年8月、豊洲新市場の土壌汚染対策の有効性を判断する地下水モニタリング調査が終了していないことを理由に、築地市場の移転(同年11月予定)を延期。その直後には共産党都議団の調査で、土壌汚染対策として行われるはずの建物下の盛り土が行われず、地下空間が存在することが発覚しました。

 さらに今年1月14日、9回目の新市場の地下水調査で環境基準の79倍ものベンゼンなど有害物質が広範囲で検出され、深刻な汚染が残っていることが明らかになりました。

 共産党都議団はこの結果を受け、同16日に移転計画の抜本的再検討を申し入れ。今夏に移転の是非を判断するとしている小池知事は「しっかり考えていきたい」と答えました。

疑惑山積

 究明すべき疑惑や疑問は山積しています。

 ―なぜ、生鮮食品を扱う築地市場の移転先を、有害物質で汚染された東京ガス工場跡地としたのか。石原慎太郎元知事ら都幹部がどのように検討して移転を強行したのか。

 ―汚染された土地を高い価格で東京ガスから購入し、土壌汚染対策費の全額を原因者である東京ガスに求めなかったのはなぜか。

 ―日本環境学会などから「絵に描いた餅」と酷評されながらも検証、見直しをすることもなく進められた土壌汚染対策。虚偽だった盛り土、破綻した地下水管理などの欠陥。

 ―高級ホテルよりも高い施設建設単価など、豊洲新市場の整備費がなぜ高騰したのか。主要3施設の建設工事が99%超の高落札率で、官製談合があったのではないか。

 石原氏は小池知事の質問状に「記憶にない」「私に判断を求められることはなかった」などと無責任な回答をしています。

 共産党都議団は議会で市場当局の責任をただしてきましたが、自ら真相を語ることはありませんでした。

 これらの疑惑や疑問を明らかにするには、都議会に、証人喚問や記録の提出を求めることができる百条委を設置することが必要です。

世論が各党動かす

 「79倍のベンゼン検出」の衝撃と、真相究明を求める世論と運動の高まりは、小池知事を動かし、さらには都議会で豊洲移転を推進し、百条委設置に反対してきた各党・会派をも動かしています。

 小池知事は、石原氏の責任追及へ一歩踏み出しました。1月20日、住民が都に対して汚染された土地の購入を決めた石原氏に損害賠償請求するよう求めている訴訟への対応を変更すると発表。石原氏の責任はないとしていた都の方針を見直し、弁護団を全員交代し、土地購入疑惑を明らかにすると表明しました。

 一方、都議会でも、都議会自民党の2都議が1月25日、会見し、地下水調査の結果に「大変ショックを受けた」と述べ、百条委の設置を要求。都議会民進党は同31日、尾崎大介幹事長が会見し、石原氏の都議会特別委員会への参考人招致や百条委の設置を求め、他の会派とも共同提案を図ることを明らかにしました。

 2月7日、都議会の豊洲市場移転問題特別委員会は、共産党が求めてきた石原氏、浜渦武生(はまうずたけお)元副知事や地下水調査に携わった企業の関係者らの参考人招致を決定。招致に後ろ向きだった自民、公明も世論の高まりに押されて賛成せざるをえなくなりました。都議会では今月15日の議会運営委員会理事会で、共産党都議団が百条委設置を提案し、協議することになります。豊洲新市場をめぐる問題の真相解明を進めるのか、背を向けるのかにメディアと世論が注目しています。

他会派と共同 一刻も早く 大山とも子共産党都議団幹事長

 町会、商店会など、さまざまな新年会の場で「豊洲はもうだめだ」「百条委でやるしかない」「石原知事の責任をきちんと追及してほしい」などと多くのみなさんから言われます。

 豊洲新市場をめぐる数々の疑惑について、どうしてこんなことになったのかを明らかにしなければ、今後も同じことを繰り返すことになりかねません。

 真相究明のためには、強力な調査権限を持つ百条委員会の設置が不可欠です。

 私たちが昨年10月に百条委の設置を提案した時に、自民、公明もその必要性を否定することはできませんでした。あらためて他党・他会派とも可能な限り共同し、一刻も早く設置を実現したい。

一貫して要求してきた共産党

証人喚問欠かせない

 日本共産党都議団は昨年9月、豊洲新市場をめぐる一連の疑惑を究明するため、百条委員会の設置を正副議長と各会派に申し入れ、議会運営委員会理事会で提案しました。

 この中では、9月都議会の審議を通じて「真相の全面究明には、証拠資料を提出させるとともに、(石原慎太郎元知事ら)関係者を証人喚問し、偽証罪などを問える強制力を持つ百条委の設置が不可欠なことが明白となった」と強調しました。

 しかし、自民、公明などは「経済・港湾委員会で審議すればよい」として百条委設置に反対。10月13日の本会議では、共産党都議団が提出した百条委設置の動議を自民、公明、民進(2会派)、かがやけ(現・都民ファーストの会)、生活者ネットなどが反対し否決しました。

 しかし、その後、都が共産党都議団の請求にこたえて開示した、豊洲予定地をめぐる東京ガスとの交渉記録には、これまで隠されてきた重大な事実が記されていました。

 記録から、石原氏側近の浜渦武生副知事(当時)が2000年10月に東京ガスを訪問し、土地価格や開発者負担について「そのことは水面下でやりましょう」と提案し、「(東京ガスの)株主に損をさせない仕組み作りを示す」など3項目を部下に指示していたことが判明したのです。

 豊洲移転問題の究明には、百条委員会の設置と石原、浜渦両氏や東京ガス側の責任者などの証人喚問が欠かせません。

図

■日本共産党東京都議団が提案している百条委への証人喚問要求名簿

 氏 名    肩 書

 石原慎太郎  元都知事

 浜渦 武生  元副知事

 猪瀬 直樹  元都知事

 舛添 要一  前都知事

 岡本  毅  東京ガス取締役会長

 原島 文雄  技術会議座長

 長谷川 猛  技術会議委員

 畑  明郎  日本環境学会元会長

 水谷 和子  1級建築士

 比留間英人  元市場長

 岡田  至  元市場長

 中西  充  元市場長

 塚本 直之  元市場長

 岸本 良一  前市場長

 押味 至一  鹿島建設株式会社代表取締役社長

 井上 和幸  清水建設株式会社代表取締役社長

 村田 誉之  大成建設株式会社代表取締役社長

 野村 喜一  株式会社日水コン代表取締役社長

 亀井 忠夫  株式会社日建設計代表取締役社長


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