2017年2月8日(水)
法相、共謀罪で質疑封じ
文書を作成・配布「不適切」認め撤回、謝罪
共産党が辞任求める
法務省が、「共謀罪」(テロ等準備罪)法案の国会審議について、法案の国会提出後に法務委員会で行うべきだなどとし、予算委員会での質疑を封ずるような文書を報道機関に配った問題(6日)で、金田勝年法相は7日の衆院予算委員会で、法相自身の指示で同文書を作成、配布したことを認め、不適切な文書だったとして撤回、謝罪しました。(関連記事)
同文書では、法案は検討中であり、与党協議や関係省庁との調整が終わっていないことをあげ、「予算委員会における『テロ等準備罪』に関する質疑について」は、それらの点を「配慮するべきである」としています。重要法案の担当相が、国政全般にわたる審議を総合的に行う予算委員会での質疑を封ずるような文書を出すことは三権分立、議会制民主主義の原理に照らしてあるまじき暴挙です。
日本共産党の宮本岳志議員は7日の衆院予算委員会で、同文書には「(基本的政策判断や法律論で)成案を得た後に議論を行うことが審議の実を高める」「成案を得たのち法務委員会でしっかり議論を重ねていくべき」と書かれていると指摘。「予算委員会はそれこそ基本的な政策判断について政府の見解、姿勢をただす場であり、具体的な法律論でも、国民の生活と権利に重大な関わりをもつあらゆることを議論する場だ」と反論し、「“法案が出てくるまでは審議するな”と言わんばかりの、あからさまな国会審議のあり方への介入だ」と批判しました。
その上で「法務大臣としての資質が問われる重大問題だ。このような大臣のもとで『共謀罪』法案を提出することなど到底許されない」と批判しました。
日本共産党の穀田恵二国対委員長は同日の記者会見で、金田法相の辞任を求めていくとしました。