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2017年2月5日(日)

主張

米国防長官の来日

「強固な同盟」の転換こそ急務

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 マティス米新国防長官が初来日し、安倍晋三首相や稲田朋美防衛相らと会談しました。マティス氏は、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地計画の実行や日米安保条約に基づく「核の傘」の提供を表明し、在日米軍駐留経費の日本側負担を評価しました。安倍首相らは、日本の軍事力強化、日米安保を地球規模の軍事同盟に変質させた安保法制=戦争法による自衛隊の役割拡大を誓いました。辺野古新基地や「海外で戦争する国」づくりに反対する沖縄県民、国民の声は一顧だにされませんでした。一連の会談で確認された「強固な日米同盟」の危険は明白です。

沖縄の民意愚弄した姿勢

 「選択肢は二つだ。一つは辺野古、二つ目も辺野古だ」―。マティス氏は、首相との会談で、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる新基地建設場所について「辺野古が唯一」とする従来の米政府の立場に変わりがないことを強調しました。

 沖縄県の翁長雄志知事は辺野古の新基地建設に反対し、別の選択肢を検討するよう米政府などに働きかけるため訪米の最中でした。マティス氏の発言は、辺野古の新基地に反対する沖縄の民意を愚弄(ぐろう)したものに他なりません。翁長氏が「沖縄県民に対して大変、失礼」「辺野古が唯一の解決策という考え方に固執すると、今後の日米安保体制に大きな禍根を残す」と批判したのは当然です。

 日米防衛首脳会談後の共同記者会見では、在日米軍駐留経費の日本側負担について問われ、稲田防衛相が「適切な負担」だと述べ、マティス氏が「他国の手本」とたたえたのは重大です。

 日本の米軍関係経費負担は2016年度予算で過去最大の7642億円に上り、世界的に突出しています。政府も、米軍駐留経費全体に占める負担割合がドイツ、韓国、イタリアの30〜40%に対し、日本が約75%に達することを認めています。在日米軍の維持経費は米側が負担するとした日米地位協定にも反し、「適切な負担」どころか削減・廃止こそ必要です。

 マティス氏が、首相との会談で「日米安保条約に基づく対日防衛義務、同盟国への拡大抑止提供を含め、米国の関与を再確認する」と述べたのも看過できません。

 「対日防衛」の問題に関し、首相は米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)が母港の原子力空母ロナルド・レーガンについて「専ら日本を守るためではない」と述べています(2日、衆院予算委員会)。空母に加え、沖縄を中心に駐留する米海兵隊も「日本防衛」とは無縁です。日本が、海外の戦争への出撃を主任務にする米空母と米海兵隊の駐留を世界で唯一認めていることが問われています。

核兵器禁止の流れに逆行

 マティス氏が確認した「拡大抑止」とは、核兵器の使用を前提にした「核抑止力」によって日本を「核の傘」の下に置くということです。トランプ新大統領は昨年末、「米国は核戦力を大幅に強化、拡大する必要がある」と述べています。日本は、米国の圧力に屈し、核兵器禁止条約の締結交渉を開始する国連総会決議に反対しました。トランプ政権の下で核廃絶に背を向ける安倍政権の姿勢はさらに強まる危険があります。

 安倍政権の「日米同盟絶対」の立場の転換はいよいよ急務です。


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