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2017年2月4日(土)

論戦ハイライト

日ロ首脳会談 国際的道理に立ち交渉を

畠山氏が外交姿勢ただす 衆院予算委

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(写真)安倍晋三首相らに質問する畠山和也議員(左端)=3日、衆院予算委

 昨年12月の日ロ首脳会談をめぐり、領土交渉が後退していると3日の衆院予算委員会で指摘した日本共産党の畠山和也議員。「島さえ帰ってくれば」と話す元島民の切迫した暮らしや思いを訴え、戦後処理の不公正をただせない安倍政権の道理なき外交姿勢に迫りました。

 日本政府の「北方領土」に対する基本的方針は「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」というものです。しかし、今回の会談で発表された「声明」に領土交渉については触れられていません。共同経済活動は領土問題解決のためと述べる首相に対し、畠山氏は、1998年の小渕・エリツィン会談後には「共同経済活動に関する委員会」とあわせて「国境画定に関する委員会」が設置された前例を提示。「領土問題は全くない」とプーチン大統領が発言した以上、今回は「何のための共同経済活動なのか」と指摘し、会談での首相の態度を問いました。

会談の結果に元島民は落胆

 畠山 プーチン大統領の発言に対し何か指摘はしたのか。

 首相 会談の詳細は差し控えるが、日本の基本的立場を主張しているのは当然だ。

 畠山氏は、北海道根室市の元島民が、日ロ首脳会談の結果に「残念だった」と深く落胆していると紹介。昨年ロシアでサケ・マスの流し網漁が禁止されたことで、水揚げ量は前年比で8000トン減。損失は200億円と、根室市の一般会計予算170億円を上回るとの報道も示し、同市市長は「町の存亡問題」、地元の水産加工業などは「仕事がない」「地域経済が落ち込んでいく」と危機感を募らせていると強調しました。

 畠山 首相はプーチン大統領の発言に指摘や反論をしたと明確に言えなかった。元島民の苦しみは、領土が帰ってこないからゆえだ。

 首相 元島民たちの思いは承知している。

 プーチン大統領は首脳会談後の共同記者会見で、「1945年の戦争ののち、…『南クリル列島』(南千島)の島々をも取り戻した」と述べ、その根拠にヤルタ協定を掲げています。米英両国が当時のソ連の指導者スターリンに千島列島の引き渡しを認めた秘密協定です。

歴史的事実に基づく反論を

 畠山 国際社会における戦後処理の大原則は領土不拡大だ。この密約自体が国際原則に反するとの認識をもっているか。ヤルタ協定の不公正について、プーチン大統領に指摘や反論をしたのか。

 首相 そこで反論していても1ミリも(領土交渉は)動かない。

 首相は、ヤルタ協定は当時の連合国の首脳で戦後処理方針を述べたにすぎず、「当事国でない日本がヤルタ協定の内容と領土不拡大原則の関係を説明する立場にない」と述べ、交渉では領土問題を正面から指摘してこなかったことを吐露しました。

 畠山氏は「そもそも歴史的事実に基づいて反論するのは当然のことだ」と指摘。プーチン大統領が2006年からヤルタ協定を根拠として北方四島を含む千島列島を自国領としている経緯を示しました。

 畠山 このヤルタ協定の言明に、第1次安倍政権も含めて今日まで日本政府として反論していない。それが今回の「領土交渉は全くない」とのプーチン大統領の発言につながっているのではないか。

 首相 「新しいアプローチ」で少しでも平和条約に近づくほうがプラスだ。

 畠山氏は、日ロ双方ともに、国際的な道理に立った主張をしてこなかったことが領土問題の解決を遅らせてきたと指摘し、日本こそ道理に立った主張をすべきだと強調。領土交渉方針の抜本的な転換を求めました。


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