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2017年1月30日(月)

政治考 共産党27回大会の“衝撃”

共闘の信頼感 圧倒的

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(写真)山口二郎 法政大学教授

 「民主政治の劣化が深刻な世界的問題となっている今、民主主義を守るための、21世紀版人民戦線が必要な時だと思う。その意味で、共産党大会に立憲野党と市民の代表が集まったことには大きな意味があると考える」

 「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の山口二郎法政大学教授は、15〜18日に開かれた日本共産党第27回大会について、こうコメントを寄せました。

党外から反響

 民進党、自由党、社民党、参院会派「沖縄の風」の3野党・1会派の代表と市民連合や「総がかり行動実行委員会」の代表が初めてあいさつし、野党と市民の共闘を体現した党大会。党外の人々から感想、反響が寄せられています。

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(写真)佐々木寛 共同代表

 「市民連合@新潟」共同代表の佐々木寛新潟国際情報大学教授は「新潟では昨年、参院選と県知事選で市民と野党の共闘が勝利しました。これは機能不全に陥った日本の政治システムのもとでの地殻変動を意味します」と指摘。「対米追随や新自由主義とは違うあり方を求める野党共闘の流れは不可逆的です。今度の共産党の大会は、この変化に政党として最も早く適応したもの。この変化の中には、共産党内部でもさまざまな意見が交わされ、党中央に要望が届き、それに応じて決断するという、共産党自身の新しい変化も感じます」と語ります。

 党大会初日、壇上に安住淳民進党代表代行、小沢一郎自由党代表、吉田忠智社民党党首、「沖縄の風」の糸数慶子代表がそろって姿をみせると、歓声と地鳴りのような拍手、そして詰めかけたマスコミのフラッシュとシャッター音が鳴り響きました。

党史上初めて

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(写真)第27回日本共産党大会で、代議員とともに拳をあげる(壇上前列左から)糸数、安住、志位、小沢、吉田の各氏=15日、静岡県熱海市

 今年、結党から95周年を迎える日本共産党の戦前・戦後を通じた歴史でも、他の政党の代表があいさつに訪れるのは初めてです。

 野党が結集した目的は、立憲主義破壊の安倍政権打倒へ、共闘をさらに前進させることです。政党としての政策や理念の違いを超え、憲法と民主主義、個人の尊厳の擁護のため、広範な市民と手をつないで進んでいく―。まさに新しい「人民戦線」の姿が示されました。

 社民党政策審議会の野崎哲事務局長は、「閉ざされた印象のあった共産党のイメージが変わって、開かれた共産党になった」と述べます。2015年5月の憲法集会で、民主党(当時)の代表が共産党の志位和夫委員長とともに壇上に上がって握手すらできなかったことを笑顔で振り返り、「今は4党で政策協議をしている。地方の現場レベルでも共闘や政策の協議が進む。信頼感は圧倒的になっている」と語りました。

共闘前進へ思い切々

“真摯な思いに応えたい”

 市民連合を代表し党大会であいさつした中野晃一上智大学教授は、「会場に入った瞬間に圧倒されました。ぎっしりと参加者のみなさんがいらして、壇上との高さの差もそれほどないので、余計に迫力があったのだと思います」と、演壇に立ったときの印象を振り返ります。「参加者のみなさんの歓迎を受け、みなさんの真摯(しんし)な思いに応えなくてはと考えた」と中野さん。あいさつでは、互いの違いを受け入れ、リスペクト(尊敬)の視点を持ち、時にはユーモアを持つことが相互理解を深めるには必要だと語りました。「市民との対話のなかで未来を切り開いていこうという共産党のみなさんの決意を体感できた経験でした」と感想を述べます。

 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」共同代表の福山真劫さん。

 「日本共産党の大会で『フォーラム平和・人権・環境』の共同代表も務めるわたしが連帯のあいさつをさせていただきました。平和・民主主義運動における『連帯』がさらに一歩進みました。日本共産党は大会決議の中で、総がかり行動、市民連合、野党共闘の現在までの取り組みを高く評価し、『大きな未来がある』と位置付けました。うれしい限りです」

 「戦争する国」づくり・軍事大国へ暴走する安倍自公政権。福山さんは、「私たちは、この時代の平和・民主主義に責任を持たなくてはなりません。大会に参加された皆さんのまなざしと熱い思いが胸に迫ります」と語ります。

「大事な動き」

 昨年7月の参院選で野党統一候補として山形選挙区で激戦を制して自公候補に勝利した舟山康江参院議員(無所属、参院会派・民進党新緑風会)は、「共産党大会に野党代表が結集したことは本当に大事な動きです」と強調します。「20日の安倍首相の施政方針演説は、極めてごう慢、一人よがりで都合のいい数字ばかりを並べ、謙虚さのかけらもない。この政権に立ち向かうには共闘しかありません。政党が違うのだから政策が違うのは当たり前。しかし、安倍暴走を許さない共闘には大義があるし、社会保障の強化など共有できる政策はたくさんある」。共闘前進への思いを寄せました。

 同じく岩手選挙区で野党統一候補として勝利した木戸口英司参院議員・自由党政策審議会会長代理は、「党大会は、互いに理解と信頼を深め、より良い共闘へ力を太くする重要な機会となった」といいます。

 「今年は政治を変える年です。この時期に歴史的なめぐりあわせで、共産党大会に野党が結集してスタートを切ったことは、共闘に期待する市民に勇気を与えるものとなりました」

感想が次々

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(写真)野党4党と市民の共闘に声援を送る人たち=7日、東京・新宿駅西口

 民進党議員、関係者からは、「野党が共闘してたたかう姿を大きく示せたことは大きい。党内にはいろいろな意見はあるが、一本化しないかぎり与党に勝てないことは誰もがわかっている」「視聴したが、開かれた素晴らしい大会となった。共産党の存在がグッと近づいた感じだ」などの感想が次々と寄せられます。

 民進党の安住代表代行は党大会でのあいさつで、共通の政策づくりをめぐり、安全保障、エネルギー、社会保障と税負担のあり方などで相互に違いはあるが、「一定の幅におさめていく」と前向き姿勢を示しました。

 民進党の役員の一人は、この点について「『一定の幅』というが、原発や基地問題、消費税などで、世論を見極め、市民の声に寄り添う方向で民進党が思い切った転換をする必要がある」と語ります。

 「市民連合@新潟」佐々木共同代表は、「共産党が民進党に対し(政策的に)折れればよいという議論がある。しかし、現在の安倍政治が問いかけるのは、平和・安全とはそもそも何かという根本的問題だ。既存のシステムの中で、どちらかにすり寄ればいいという問題ではない」と指摘。「政党同士の話し合いだけでなく、市民や地方周辺部の動きの中からまず大きな変化が始まっていることに注目するべきだ。沖縄や、新潟がその実例だ」と述べます。

 野党と市民の結集で、内外に大きな反響を広げている日本共産党第27回大会―。市民運動のさらなる発展、日本共産党の政治的躍進によって、大会が示した共闘の力と可能性を実証する取り組みが全国で始まっています。

 (中祖寅一)


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