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2017年1月29日(日)

軽井沢バス事故1年 市民集会

規制緩和 見直し必要

睡眠4、5時間で運転も 労組報告

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 大学生ら15人が亡くなった軽井沢スキーバス事故(2016年1月15日)から1年。「バス事故はなぜ? 繰り返される事故の原因と対策を考える!」市民集会が28日、東京都内で、日本弁護士連合会の主催で行われました。


日弁連主催 繰り返す原因考える

写真

(写真)亡くなった学生の写真を持って話す尾木直樹法政大学教授=28日、東京都内

 川村雅則北海学園大学経済学部教授はバス事故の背景について基調報告しました。川村氏はバス事業参入規制の規制緩和によってバス事業者が倍増したが、輸送人員は変わらず過当競争が始まったと指摘。その結果、運転手の労働条件が悪化、バス車両を長く使用するなどの問題が起きていると述べました。その一方で、「行政のチェック態勢は、トラック、バス、タクシー合わせて12万業者に対して、わずか365人しかおらずまったく追いつかない状態だ」と批判しました。

 川村氏は運転労働は精神的負担、長時間、深夜、不規則勤務などで過労死が最も多い業種になっており、離職、運転手不足の悪循環が続いているとして「規制緩和政策そのものの見直しが必要」と力説しました。

 労働現場からの報告では全国自動車交通労働組合総連合会の菊池和彦書記長が、同じく規制緩和による過当競争の実態を組合員へのアンケートなどを示し報告。休息時間が8時間余りしかないのに翌日231キロも走行している例では、「通勤時間や食事時間を入れたら睡眠は4、5時間しかない」と告発。アンケートでは「居眠り運転をしたことがある」は22%でした。全日本交通運輸産業労働組合協議会の高松伸幸事務局長も運転手の労働時間のルールを決めた「改善基準告示」の不備を現場実態から批判しました。

 事故でゼミの教え子4人を亡くした尾木直樹法政大学教職課程センター長・教授が「大変なことが1年たっても続いている。けがをした6人も手術したりトラウマに悩まされたりして事故について語れる状況ではない。亡くなった4人は今をすばらしく生きていた。すでに花開いて生きていた」と心境を話しました。

 事故を取材した宮原修平NHK記者、国土交通省担当官が報告しました。


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