「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017年1月29日(日)

福岡エフコープ 正規と非正規 賃金格差解消

“同一価値労働 同一賃金”を実現

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 男女間、正規・非正規雇用間にある賃金格差・差別の解消をめざす同一価値労働同一賃金。福岡県のエフコープが昨年10月、同じ仕事をすれば同じ賃金を支払う同制度を実施し始めてから4カ月になります。20年にわたる労働組合の運動と、労使交渉を積み重ねる中で築いた大きな一歩です。(行沢寛史)


写真

(写真)同一価値労働同一賃金を実現し、さらなる待遇改善を求めているエフコープ労組の組合員ら

 同一価値労働同一賃金は、男性・女性でも、正規・非正規雇用でも、同じ価値をもつ仕事をすれば同じ賃金を支払うという原則です。

 エフコープでは2008年、年功序列型の性格をもっていた正規の賃金制度と、職能給と職務給で構成されていた非正規雇用の賃金制度を統一。戸別配送のトラック運転手や店舗作業などの仕事内容で決定する職務給、個々の労働者がもつ技能・技術で決定する職能給などを組み合わせた評価制度を確立しました。制度改善にともなって正規の賃下げは回避しながら、非正規雇用の賃金を底上げしてきました。

 そして昨年10月から基本給部分(時給で換算)について、正規・非正規雇用(パートタイマー)で100対95であった賃金格差が解消し、100対103にしました。賞与などを含む年収の格差を是正するためです。制度改善にむけて議論を始めた03年の賃金格差は、大卒初任給を時給換算した場合の1200円に対し、非正規雇用は915円でした。長年の議論を通じて、格差是正が大きく前進しました。

 「同じ仕事をしているのに、なぜ待遇に大きな違いがあるのか。現場労働者の“現実をどうにかしないといけない”という思いの結果です」。エフコープ生協労働組合(生協労連加盟)の舌間成実書記長は、同制度の実現をこう話します。

 エフコープ労組が同一価値労働同一賃金の確立をめざして運動を始めるきっかけは1996年。人件費削減を目的に商品を戸別配達するトラック運転者を中心にパート労働者の雇用が始まりました。しかし事態は悪化します。02年には希望退職が募集されたのをはじめ、退職した正社員の穴をうめるために、非正規雇用のエリアスタッフを採用。同じ仕事をしていながら待遇の格差があることから、労働者が定着せずに退職が続くなかで、仕事が混乱し、交通事故も多発しました。

 この事態に、労組は賃金格差の解消にむけて、非正規雇用の正規化を要求してきました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって