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2017年1月28日(土)

沖縄で墜落 オスプレイの危険鮮明

それでも飛行 政府は認めるのか

衆院予算委 赤嶺氏追及で説明総破たん

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 日本共産党の赤嶺政賢議員は27日の衆院予算委員会で、沖縄県名護市の浅瀬に墜落したMV22オスプレイの構造的欠陥を示し、同機の速やかな撤去を求めました。政府はまともに答弁できず、オスプレイの危険性が鮮明になりました。


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(写真)安倍晋三首相に質問する赤嶺政賢議員(左)27日、衆院予算委

「不時着水」というが

政府も当初「墜落」

 米軍普天間基地所属のオスプレイが昨年12月13日、沖縄本島東海岸沖でMC130特殊作戦機との空中給油訓練中に事故を起こし、墜落・大破しました。日本政府は「機体はパイロットのコントロール下にあった」との米側の説明をうのみにして「不時着水」との言葉を使い続けています。

 赤嶺氏は「機体をコントロールできていたなら、なぜ(名護市内の)キャンプ・シュワブまで行って着陸しなかったのか」と指摘。沖縄防衛局が名護市に送った第一報では「墜落」と表現していたことを明らかにして、政府の認識をただしました。防衛省の深山延暁地方協力局長は「事故の第一報を受けた時は、詳細を把握できない状況だった」と弁明に追われました。

「乱気流が発生」というが

気象庁「予測されてない」

 日本政府は、墜落事故の6日後にオスプレイの飛行再開を容認。事故原因の調査は継続中としながら、「機体構造が原因ではない」と結論づけています。

 赤嶺氏は、事故原因について「肝心の問題がはっきりしない」と指摘。防衛省が「給油ホースを分離させた後に、乱気流等により、給油ホースとオスプレイのプロペラが接触した」としている点をあげ、「乱気流の発生をどのように確認したのか」とただしました。

 深山局長は「(米側から)説明を受けているところ。その後も引き続き調査を行っている」というだけで、根拠を示せません。橋田俊彦・気象庁長官は、「沖縄本島周辺の上空では、中程度以上の乱気流を伴う可能性のある悪天候は予測されていない」、「民間航空機からの報告もない」と答弁しました。

 そこで、赤嶺氏は、乱気流が自然現象ではなく、航空機が引き起こす後方乱気流であった可能性に言及しました。両翼に回転翼を持つオスプレイは風の影響を受けやすいとされており、「MC130による後方乱気流の影響でオスプレイがバランスを崩し、給油ホースに接触した可能性はないのか」と指摘。「ボイスレコーダーの検証や搭乗員への事情聴取などの具体的な情報提供を米側から受けているのか」とただすと、深山局長は「ボイスレコーダーを渡されたということはない」と答え、米側の説明をうのみにしていることを認めました。

プロペラの強度

「米軍側に確認せず」

 赤嶺氏は、両翼の大きなプロペラは給油ホースとの接触事故を起こす可能性が高く、しかもプロペラは非常に壊れやすい構造になっていることを指摘。オスプレイ開発に携わったレックス・リボロ氏が「通常のヘリでホースがローターに当たれば、ホースが切れ、緊急着陸できる。オスプレイのプロペラは非常に繊細で、ホースに当たるとバラバラに壊れてしまう」と述べていることも示し、「プロペラの強度について米側に確認しているのか」とただしました。

 深山局長は「米側に確認していない」と答弁。未確認であることを認めました。

 赤嶺氏が「オスプレイの機体構造に起因した事故だった可能性を否定することはできない」とただすと、安倍晋三首相は「米側と連携を密にして安全確保に万全を期す」としか答えられませんでした。

「陸地で給油訓練」しないというが

名護市上空で確認

名護市役所上空で空中給油訓練を行っていた米軍機

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(写真)給油ホースを2本出しながら飛行する空中給油機

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(写真)空中給油機と並行して飛行する戦闘機
2015年10月26日、名護市基地対策室撮影

 安倍首相は、オスプレイが6日に空中給油訓練を再開したことについて「訓練は今後とも陸地から離れた場所でしか行わないことも(米側に)確認している」と答弁しました。

 これに対し赤嶺氏は2015年10月26日、沖縄県名護市役所の上空で同市職員が米軍の空中給油機と戦闘機による空中給油訓練を目撃したと指摘。空中給油機が2本の給油ホースを後方に伸ばしながら飛行し(図上)、並行して飛行している戦闘機の写真(図下)を示し、「陸地の上空でも空中給油を実施している」と追及しました。

 深山局長は、訓練の有無については「米軍に問い合わせをしている」と回答しました。

 赤嶺氏は、訓練について米側に問い合わせをするしかない状況で、「『陸地の上空では訓練を行わない』という答弁だけを独り歩きさせるのはやめるべきだ」と迫りました。

「普天間の危険性除去」いうが 

墜落現場上空がルートに

 赤嶺氏は、名護市辺野古の米軍新基地周辺に計画されたオスプレイの飛行ルートを示し(図)、今回のオスプレイ墜落現場は管制塔の誘導に従って飛行する「計器飛行」ルートの直下に当たると指摘。「墜落現場の上空をオスプレイが日常的に飛行する。そういう基地建設を進めていることを認めるか」と追及しました。

 稲田朋美防衛相は「辺野古移転は普天間飛行場の危険性除去のための唯一の解決策だ」と強弁。安倍首相は「普天間では住宅地の上空を飛行するが、辺野古移転で陸上ではなく海上を飛行することになる」と正当化しました。

 赤嶺氏は「陸地の上空を飛ぶ図を見せられて、よくも海上を飛行すると言えたものだ」と批判。「危険な普天間基地は閉鎖、撤去して、辺野古基地も造らないことを強く求める」と述べました。

図

(写真)沖縄防衛局「環境影響評価書(補正後)」などをもとに作成


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