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2017年1月28日(土)

主張

軍事負担の拡大

「日米同盟第一」の危険は明白

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 トランプ米新大統領の下で国防長官に就任したマティス元海兵隊大将が来月初旬に来日します。稲田朋美防衛相との防衛首脳会談の他、安倍晋三首相と会見する見通しです。焦点は、マティス氏が日本の米軍駐留経費負担や軍事費の大幅増、自衛隊の役割拡大を求めてくる可能性があることです。首相は先取り的に、トランプ新政権の軍事的負担強化の要求に進んで応える姿勢を示しています。世界で異常突出する米軍駐留経費負担や過去最大を更新し続ける軍事費の拡大、安保法制=戦争法に基づく米軍の戦争への参戦体制の強化などもってのほかです。

首相が「軍事力拡大」答弁

 首相は国会で、トランプ政権との関係について「揺るぎない日米同盟の絆をさらに確固たるものにしていきたい」とし、「わが国としても防衛力を強化し、自らが果たし得る役割の拡大を図っていく」と述べました。日本の軍事力の強化、「日米同盟」における自衛隊の一層の役割拡大の表明です。

 日本維新の会の議員が、トランプ氏が日本への米軍駐留経費の全額負担・大幅負担増の要求やそれに応じない際の米軍撤退を示唆したことなどを受け、「トランプ大統領が日本にこれまで以上の防衛上の負担を求めてきた時、真剣な検討を行うべきではないか」と求めたのに答えました。

 一方、マティス国防長官は米上院軍事委員会の指名公聴会(12日)で、日本が現在の米軍駐留経費負担に加え、相当程度の追加的支援をしなければ米軍は撤退すべきかとの質問に対し、日本が同盟国の「義務」を果たすことを求めつつも、米軍撤退は否定しました。

 先の首相の表明は、「米国第一」を掲げて覇権主義的に各国に要求を押し付けてくる危険があるトランプ政権が日本にも軍事的負担強化を求めてくる可能性を口実にして、「日米同盟第一」の立場から「戦争する国」づくりを加速するのが狙いです。米軍駐留経費の負担増だけでなく、軍事費の増額など軍事力の強化、安保法制に基づき米軍の世界規模の戦争に自衛隊が参戦し、一層の役割を果たすことを念頭に置いた重大な答弁です。

 日本の米軍駐留経費負担は、2016年度予算で過去最大の7642億円にも上り、世界的に突出しています。首相も、米軍駐留経費全体の負担割合はドイツ、韓国、イタリアが30〜40%なのに日本は75%に達することを認めつつ、今後も「適切な分担が図られるべき」だと述べ、負担増に応じることも否定していません。しかし、日本の負担は、駐留米軍の維持費は米側が負担するとした日米地位協定にも反し、削減・廃止こそ筋です。

参戦の現実的危険さらに

 軍事費も安倍政権下で4年連続増額し、16年度当初予算で史上初の5兆円を突破しました。海外派兵型など高額兵器の購入が増えれば、財政は圧迫され、社会保障費が切り捨てられるのは明白です。

 安保法制に基づく自衛隊の参戦体制づくりの強化、役割拡大は、海外での米軍の戦争に参加する現実的な危険性をいよいよ高めます。トランプ政権が要求すれば、米軍のアフガニスタンや過激組織ISへの軍事作戦に加わることになりかねません。

 「日米同盟第一」「同盟絶対」の対米追随外交を転換させる運動と世論を広げることが必要です。


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