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2017年1月25日(水)

小田原市ジャンパー 生活保護全受給者を威嚇

命守る意識もて

支援者らが申し入れ

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(写真)申し入れ後、記者会見する生活保護問題対策全国会議の稲葉剛幹事(中央)ら=24日、小田原市役所

 神奈川県小田原市で生活保護担当職員が「不正を罰する」などとプリントしたジャンパーを着て受給世帯の訪問に当たっていた問題で24日、弁護士や支援者でつくる生活保護問題対策全国会議(尾藤廣喜代表幹事)は、保護行政の改善を求め同市に申し入れを行いました。

 同会議の稲葉剛幹事(立教大学特任准教授)、全国生活と健康を守る会連合会の安形義弘会長、作家の雨宮処凛さんらが参加、申し入れ後会見しました。

 会見で稲葉氏は生保の「不正受給」は全体の0・5%(金額ベース)にすぎず、ほとんどが適正に利用しているとし、「同ジャンパーを着て業務にあたるのは、すべての利用者に不審の目を向け、威嚇するものだ」と厳しく批判しました。また、そろいのジャンパーを着て家庭訪問するのは保護受給を近隣に知らせるに等しく、他の自治体の福祉事務所では一般的に厳禁とされているとのべました。

 同氏は、ジャンパーが10年間作られ続け、現在も職員のほとんどが所有していることから「担当部署の組織的構造的問題だ」と指摘。それは同市のホームページに生活保護について、親族による扶養が適用の前提条件と誤解される内容が掲載されていたこと(問題発覚後、市が是正)からも、明らかだとのべました。

 そのうえで、外部の学識経験者や当事者らによる検証委員会を設置し原因を究明することや、制度運用の改革を求めたことを明らかにしました。

 会見で安形氏は「全国で保護行政に人権侵害の言動が見られ、生活保護法や憲法にそった行政がやられていない。小田原市の検証と対策は、全国の福祉行政を変えていくことにもなる」と語りました。雨宮氏は「生活保護の窓口は断られたら命をなくす人がいる。ここで違法な対応をしたら命をなくす可能性がある、命を守るとりでだ、との意識を持てる研修が全国で必要だ」と語りました。

 市側からは福祉健康部長や市民部長らが出席。検証委員会の設置や、職員全員を対象とした人権にかかわる研修の実施を予定しているとしました。


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