2017年1月24日(火)
米軍 横須賀基地 原子力艦寄港最多341日
整備拠点強化の懸念も
昨年 原潜寄港も増
米国外で唯一、原子力空母ロナルド・レーガンが配備されている米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)への昨年1年間の原子力艦船の延べ寄港日数が341日と原子力潜水艦が初入港した1966年以降最多となりました。同市基地対策課がまとめたもので、寄港回数では原子力空母の横須賀配備(2008年9月25日)以降で10年の25回に次ぐ23回でした。(佐藤つよし)
延べ日数は、レーガンが定期整備に手間取り例年5月中の作戦行動への出港が6月4日までずれ込んだためで、原子力空母の寄港日数は昨年より53日多い過去最多の232日。年間の3分の2に及ぶ日数、東京湾内に2基で福島第1原発1号機の出力に匹敵するレーガンの原子炉がとどまっていたことになります。
寄港回数では、原潜が17回で昨年比2回増、14年以降3年連続で増加しました。
米海軍の攻撃型原潜は、中国や北朝鮮が大量に保有するディーゼル電気推進潜水艦の探知・警戒・監視が平時からの主要な任務となっています。
太平洋潜水艦隊のホームページのニュースによると、昨年1年間に西太平洋地域で6カ月程度の作戦行動を終えてハワイやグアムの母港に帰港した原潜は12隻。日本近海など太平洋上には、常時6隻程度の米原潜が活動していることになります。
昨年は、2月5日〜3月1日に最新鋭のバージニア級潜水艦テキサスが26日間にわたる長期寄港。8日以上の原潜の寄港は前年比で3回増の7回、06年以降では、これまで最も多かった10年と並びました。
横須賀基地の米海軍横須賀艦船修理施設(SRF)では12年、同施設職員が独自に原子力システムの操作や整備を行うための訓練を実施しています。06〜12年にはなかった15日以上の寄港も13年以降、4回ありました(表)。横須賀基地は、日本近海で行動する米原潜の補給、兵員の休養だけでなく、修理や整備なども実施する拠点としての強化が狙われています。
横須賀基地に15日以上寄港した米原子力潜水艦
シティ・オブ・コーパス・クリスティ
2013年12月23日〜14年1月19日 28日
サンフランシスコ
2014年12月30日〜15年1月16日 18日
テキサス
2016年2月9日〜3月1日 26日
パサデナ
2016年12月22日〜2017年1月6日 16日
神奈川県横須賀市基地対策課の資料から作成
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