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2017年1月24日(火)

主張

安保法制運用加速

危険な参戦体制づくりやめよ

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 通常国会の施政方針演説で日米同盟の一層の強化を宣言した安倍晋三首相の下で、安保法制=戦争法の本格的運用が加速しています。南スーダンPKO(国連平和維持活動)での自衛隊への「駆け付け警護」の新任務付与、海外の「戦闘地域」で自衛隊による米軍への兵站(へいたん)を実施するための新日米物品役務相互提供協定(ACSA)締結、平時から自衛隊が米軍を守る「武器等防護」の「運用指針」の決定などです。加えて安保法制で可能になった新任務の訓練も拡大しています。国民の不安にも応えず、「戦争する国」への体制づくりを進めることはやめるべきです。

「国際平和支援法」の訓練

 陸海空3自衛隊による統合指揮所演習(図上演習)が23日、始まりました。演習には、安保法制の一環である改定自衛隊法に基づき、平時から自衛隊が米軍の空母や戦闘機などを警護し、攻撃されれば応戦する「武器等防護」の訓練が初めて含まれます。昨年末の「運用指針」決定を受けたものです。

 24日からは、タイで米軍や自衛隊など9カ国の軍隊が参加する多国間共同訓練が始まります。来月24日までの訓練では、安保法制の一環である「国際平和支援法」に基づき、自衛隊が、米軍をはじめ「多国籍軍」への補給や輸送などの兵站に関する計画の作成や司令部との調整を指揮所演習として行います。「国際平和支援法」に基づく訓練も初めてとなります。

 さらに、改定自衛隊法に基づき、任務遂行のための武器使用が可能な在外邦人などを救出する実動訓練も初めて行います。

 安保法制が定めた新任務の訓練では、昨年10、11月に3自衛隊と米4軍(陸海空軍・海兵隊)による日米共同統合実動演習で、「重要影響事態法」に基づき、戦闘で遭難した米兵の捜索救助訓練も初めて行っています。

 タイでの訓練に反映される「国際平和支援法」では、「国際社会の平和と安全を脅かす事態」などと認定すれば、米軍や他国軍への自衛隊による兵站などの軍事支援が可能になります。米軍を中心とした「有志連合」による過激組織ISへの軍事作戦にも適用可能だとされています。

 日米共同統合実動演習に反映された「重要影響事態法」も、「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」だと認定すれば、米軍などへの兵站も可能です。

 「国際平和支援法」「重要影響事態法」に共通するのは、海外で戦争している米軍などに対し、いつ戦闘が起こるか分からない地域(戦闘地域)で兵站などの軍事支援を可能にしたことです。「戦闘地域」での兵站は米軍などの武力行使と一体化し、従来は実施が禁じられていました。兵站は相手方から攻撃され、戦闘に発展する危険が大きく、自衛隊による海外での武力行使に道を開きます。

新ACSA国会承認狙う

 「国際平和支援法」や「重要影響事態法」に基づく自衛隊による米軍への兵站に関する手続きの枠組みなどを定めたのが新ACSAです。安倍政権は今通常国会での承認を狙っています。

 最近、政府の内部文書などで安保法制の新たな問題も次々浮上しています。それにもかかわらず本格的運用に突き進むことは許されません。違憲の安保法制の廃止へ、国会での徹底審議こそ必要です。


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