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2017年1月23日(月)

主張

2017国民春闘

賃上げと本物の働き方改革を

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 経団連の榊原定征会長が「国民の将来不安や教育費負担、節約志向といった点に手をつけないままでは、経済界が賃上げに取り組んでも消費は拡大しない」と述べたことに、批判が広がっています。「すずめの涙しか賃上げしていないくせに」「消費税を上げて法人税を減税しておいて」「非正規が将来展望を持てるか」などです。

経済好循環のカギは

 榊原発言は、財界の無責任さと傲慢(ごうまん)さを体現するものではありますが、個人消費を拡大するカギは賃上げ―これがさまざまな立場のエコノミストの一致した処方箋です。「アベノミクス」の破たんに直面した政府も、さらに「新自由主義」の国際的司令塔であるIMF(国際通貨基金)さえも、賃上げによる個人消費の拡大の必要性を言わざるをえなくなっています。

 大企業の内部留保を活用した賃上げ、中小企業を本格的に支援しての最低賃金の大幅引き上げ、非正規の労働条件の抜本的改善と正社員化こそ、地域経済の再生と日本経済の好循環の絶対的条件であることは、もはやだれも否定できない真実です。

 榊原会長が本気で「国民の将来不安」を問題にするなら、「消費税増税ではなく法人税増税」「社会保障、教育中心の予算」を政府に要求すればよいではないか。そして、中小企業と公正な取引をし、何よりも「8時間働けばふつうに暮らせる」労働のルールの確立、すなわち長時間労働の是正、非正規の正規化、均等待遇と同一労働同一賃金を、自らただちに実践すればよいではないのか―。

 個人消費拡大のためにも、2017年春闘では、賃上げとともに、真の働き方改革が求められています。安倍晋三内閣は、「同一労働同一賃金」「長時間労働是正」と言いながら、実際には派遣労働の全面解禁に続き、低賃金で解雇しやすい「限定正社員制度」などの「多様な働き方」、「残業代ゼロ」の「脱時間給制度」、「金銭解雇制度」などの将来不安をさらに広げる政策をすすめようとしています。

 安倍首相は、「『非正規という言葉を一掃する』と言ったのは、多様な働き方を自由に選択できるようにするということだ」と述べています。しかし、「一掃する」のは「非正規」という言葉だけで、「多様な働き方」それぞれの中で「同一労働同一賃金」を「実現」すればいいという、格差の固定化、非正規を拡大させるのが実態です。「脱時間給」「成果給」で長時間労働は見えなくされてしまいます。

 しかし、たとえうそとごまかしであろうと、賃上げや「働き方改革」を言わざるをえなくなったのは、労働者状態の悪化と日本経済の低迷がのっぴきならない地点にまできてしまったことの反映です。対置すべきは真の活路です。

経済課題も国民的共同で

 17春闘は、安倍政権の暴走を阻止し戦争法廃止と立憲主義回復をめざす野党と市民の共闘の前進と手を携えてたたかわれます。全労連と国民春闘共闘がかかげる「地域活性化大運動」「社会的な賃金闘争」は、経済課題でも国民的共同を前進させる、まさに的を射た方針です。打てば響く情勢です。職場を基礎に、地域を重視し、労働組合の垣根を超えた共同を進めましょう。国民春闘の大義を訴え、国民諸階層・諸団体との共同で17春闘をたたかいましょう。


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