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2017年1月22日(日)

沖縄 米軍ヘリ不時着

あわや大事故繰り返すのか

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 米海兵隊普天間基地所属の対地攻撃ヘリが20日午後7時すぎに沖縄県うるま市伊計島の農道に不時着しました。沖縄では昨年12月に海兵隊オスプレイが名護市安部海岸に墜落したばかり。県民からは「一歩、間違えれば大変なことになる。もう海兵隊は撤去させるしかない」など怒りの声が上がっています。


写真

(写真)不時着した米軍ヘリコプターと機体の点検をする米兵ら=21日、沖縄県うるま市の伊計島

 同ヘリは午後7時ごろに普天間基地を離陸、伊計島近海で夜間訓練を実施。約20分後に、機体の異常を知らせる警告ランプが点滅、伊計島の農道に不時着しました。

 現場は島内のリゾートホテルからわずか600メートルの距離。不時着した現場では、午後11時前後から米軍の関係車両が到着、周囲を沖縄県警が規制線を張り報道陣を現場に近づかせませんでした。同機は作業後、21日午前11時すぎに離陸しました。

 不時着したヘリは、昨年11月に普天間基地に配備されたばかりの最新鋭攻撃ヘリのAH1Zバイパー。同現場には不時着をニュースなどで知った住民がかけつけました。

 不時着した近くの農業の女性(59)は「部落に落ちたら大変なことになっていた。オスプレイが名護に落ちたばかり、二度とあってはならない」と不安げに語りました。

 ニュースで知りかけつけたという3人の若者はカメラを手に「米軍が県民を怖がらせている事実を記録したかった。辺野古に新基地ができたらもっとひどくなる。海兵隊はいらない」と怒りをあらわにしました。

 現場を確認した沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は記者団に「同機種の飛行停止を求めるのか」と問われ、「今の時点で求めるという話にはいかない」と述べました。


解説

ホテルからわずか600メートル

 「またか」。20日午後7時すぎ、沖縄県うるま市伊計島の農道に不時着した米軍普天間基地所属の対地攻撃ヘリ。21日午前11時すぎに何事もなかったかのように飛び去るヘリに向かって誰ともなく口にした言葉に、県民の怒りとやり切れなさが込められていました。

 沖縄では昨年、海兵隊のハリアー戦闘攻撃機が北部海域に墜落、続いて海兵隊のFA18戦闘攻撃機が四国沖に墜落、そして年末の12月13日にはオスプレイが名護市安部海岸に墜落、大破しました。

 米軍は6日後に飛行再開し、1月6日には翁長県知事などの強い反対を無視して墜落事故原因だった空中給油訓練の再開を強行しました。

 そのわずか2週間後の不時着です。

 オスプレイは開発当初から事故が相次ぎ欠陥機としての危険性を示してきました。不時着した攻撃ヘリは、最新鋭攻撃ヘリで昨年、普天間基地に配備されたばかり。報道では、警告ランプは動力系統の不具合を伝えたとしています。

 普天間基地を離陸して20分という短時間での「不具合」は重大です。夜間訓練の最中でした。

 沖縄防衛局長は「警告ランプの点滅による予防的不時着で、すぐに飛行停止ということではない」と県民の安全よりも、米軍の運用を優先する姿勢を見せつけました。同ヘリは高江をはじめ伊江島でも訓練をしており、辺野古新基地が完成すれば北部全体で訓練を激化させることは明らかです。海兵隊の沖縄からの撤退が強く求められます。(山本眞直)


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