2017年1月20日(金)
都議会自民党 豊洲移転促すビラ配布
都民から驚きの声
自民関係者も“タイミング悪い”
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東京都議会の最大会派「都議会自民党」が、築地市場(中央区)の移転予定地である豊洲新市場(江東区)について、「一日も早い開場を」と大見出しで移転を促すビラを都内各地で配布していたことがわかりました。ビラを配布した半月後には豊洲新市場用地で地下水から環境基準を超える高濃度の複数の有害物質が広範囲にわたって検出。自民党関係者からも「タイミングが悪かった」との声が漏れ、都民から批判の声が上がっています。
問題のビラは、「都議会自民党活動リポート」の新春号。昨年末から今年はじめにかけて新聞折り込みなどで配布され、都議会各選挙区の自民党議員の氏名・顔写真入りと、議員名のない共通ビラの2種類。いずれも豊洲移転問題の部分は共通となっています。
千代田区選出の内田茂都議(前自民党都連幹事長)の「活動リポート」では、表面のトップで「豊洲新市場の一日も早い開場を」との大見出しで記載。「都民の与党」として「この度『新市場の安全』を確認致しました」とし、「一日も早い新市場の開場に全力投球して参ります」と表明。「都議会自民党は、都民の食の安全を守り抜きます!!」としています。
東京区部のある自民党都議は、このビラは約10万枚印刷したものの、「ほとんど配っておらず置き場に困っている」と言います。
ある自民党関係者は「タイミングが悪かった。地下水の調査結果は想像を超えていた。豊洲移転は無理ではないかと思う」と本音を漏らしました。
日本共産党の、いび匡利(まさとし)調布市議(北多摩3区都議候補)は街頭でこのビラのことを知らせて宣伝。有権者はみんな「えーっ」と驚き、ある人は「あんな所に造ったのが間違いだよね」と話していました。
全労連・東京中央市場労組の中澤誠委員長はビラを読み、「何考えてるんだ。土壌汚染対策は完全に失敗している。このビラを見たら築地の業者はみんな怒りますよ。自民党が石原慎太郎知事と一緒に土壌汚染地の豊洲移転を無理やり推進した責任は重大です。都議選では都民の厳しい審判が下ると思いますよ」と語っています。