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2017年1月18日(水)

阪神・淡路大震災22年

復興とは何か 問う

借り上げ住宅退去強要させぬ

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(写真)「神戸・希望の鐘」をつく、早朝追悼のつどい参加者=17日、神戸市中央区

 6434人の命を奪った阪神・淡路大震災から丸22年の17日、被災地では地震が起きた午前5時46分からさまざまな追悼の催しが行われました。

 神戸市を一望する同市諏訪山公園では、同時刻に「早朝追悼のつどい」(被災者ネットワークなど主催)が開かれ、150人が黙とう。読経のなか「神戸・希望の鐘」をつき、手を合わせました。

 中央区の女性(70)は「あのときのことを昨日のように思い出します。亡くなった方々に、どうぞ安らかに、私たちは元気に暮らしています、と心で語りかけました」と話していました。

 中央区の東遊園地では、犠牲者の氏名を刻印した「慰霊と復興のモニュメント」に遺族が絶え間なく来訪。灘区の女性(70)は「文化住宅が倒壊し、母が圧死しました。母のために何もしてあげられなかった」と涙ながらに語りました。

 同日、大震災救援復興兵庫県民会議は神戸市三宮でメモリアル集会を開催。借り上げ復興住宅入居者への退去強要を許さないたたかいなどを訴えました。

 日本共産党の、こくた恵二、堀内照文両衆院議員が、各追悼行事や集会に参加しました。

支援の実態と課題議論

メモリアル集会 神戸市中央区

 阪神・淡路大震災から22年となった17日、救援復興県民会議は神戸市中央区内で「22年メモリアル集会」を開き、300人を超える市民が参加しました。

 岩田伸彦事務局長が阪神・淡路や東日本、熊本地震の支援活動を報告し、課題として被災者生活再建支援制度、災害援護資金、震災復興借り上げ公営住宅からの追い出し問題を提起しました。

 震災復興借り上げ住宅協議会の段野太一運営委員が、借り上げ住宅入居者の実態と神戸市の対応などを紹介。保険医協会や弁護士会の意見書も示し、裁判の争点を報告しました。

 東日本大震災で1757人、市職員111人が犠牲になった岩手県陸前高田市の戸羽太市長が記念講演しました。戸羽氏は、津波被害や復興事業の現状を具体的に紹介。復興について「一人ひとりが生きていてよかったと思える町にすること」と述べるとともに、「(国に対し)国民としてしっかりと意見を伝えることをこれからも続けてほしい」と阪神・淡路の運動を激励しました。

 熊本地震の被災地、益城(ましき)町在住の上田たかこさんが、熊本地震の被害実態と被災地での取り組みを報告しました。

 日本共産党の堀内照文衆院議員と、憲法が輝く兵庫県政をつくる会の津川知久代表幹事・知事予定候補が来賓あいさつしました。

 新しく代表委員に就任した畦布和隆氏が閉会あいさつしました。

巨大再開発の区域歩く

長田でウオーク

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(写真)大正筋商店街を歩く人々=17日、神戸市長田区

 阪神・淡路大震災から22年の17日、神戸市長田(ながた)区の新長田駅南「復興」再開発区域などを歩く「長田メモリアルウオーク」が行われ、全国と地元から110人が参加しました。主催は震災復興長田の会と実行委員会です。

 地震と火災で甚大な被害を受けた長田区。新長田駅南地区では今も、神戸市による巨大再開発が続いています。市は下町をビル群に変えたものの商業施設への入居は進まず、地下と地上2階は“シャッター通り”で、事業の失敗は明白です。スタッフが「県と市は、てこ入れとして、新年度から職員1000人程度が勤務する合同庁舎を建設します」と説明すると、参加者から「効果があるか疑問だ」と声が上がりました。

 大正筋商店街の伊東正和前理事長は参加者に「復興とは何か。ビルを建てることではない」と語りました。「商店街は22年間がんばってきた。被災者の負担にならない復興支援が必要だ」

 長田区は一方、商店主やNPOなどが、長田ゆかりの漫画家・横山光輝さんにちなんだ「鉄人28号」「三国志」の街づくりに奮闘しています。初参加の男性(52)=明石市=は「苦しい中でもがんばっている。行政はその思いに応えてほしい」と話しました。


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