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2017年1月16日(月)

不安定雇用14億人に

ILO報告書 2017年見通し

失業者は2億人超に増加

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 国際労働機関(ILO)は12日、2017年の世界の雇用見通しについての報告書を発表し、17年の失業者は16年より340万人増加して、2億110万人に、社会的保護制度の適用を受けることのできない脆弱(ぜいじゃく)な雇用が14億人にのぼり、依然深刻な状況であることを示しました。

 報告書は世界経済の成長率について、17年は3・4%で、16年の3・1%、15年の3・2%をやや上回るとの予測を示しました。この要因は、16年に成長率を落としたロシアやブラジルなど新興国での成長が回復するとの予測によるものとしています。

 世界の雇用状況については、やや悪化するとしました。

 失業者は2億110万人で前年より増加する見通しです。18年はさらに増えて2億380万人となる予測です。失業率では16年5・7%から、17年5・8%、18年5・8%と若干の悪化です。

 脆弱な雇用は、16年の13億9630万人から17年は14億790万人へと1160万人増加する見通しです。全労働者のなかで占める比率では42・8%で、16年から0・1ポイントの減少です。

 労働者の貧困改善が遅々としていることにも触れています。ILOは購買力平価で1日当たり3・1米ドル以下を「労働者の貧困」と規定しています。この貧困ライン以下の比率は長期的には改善してきたものの、新興国や発展途上国では高い水準が続き、報告書では「低下する速度が遅くなってきている」と警告しています。

 地域別にみると、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国では16年が63・7%で、17年予測が62・8%。南アジアが同49%と48・1%。東南アジア・太平洋諸国が同24・8%、23・4%などとなっています。

 報告書では、性別による職種や賃金の格差があること、社会の慣習的な男女の役割分担が根強くあることなどを指摘しています。


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