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2017年1月15日(日)

主張

米軍関係経費負担

「思いやり」根底から問い直せ

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 安倍晋三政権が昨年末に決定した2017年度政府予算案の軍事費は過去最高の5兆1251億円になりました。大きな特徴の一つは、米軍「思いやり予算」、「米軍再編経費」、「SACO(沖縄に関する特別行動委員会)経費」の米軍関係3経費の合計も3985億円と過去最高になっていることです。これらの経費は、沖縄をはじめ全国各地で深刻な被害を振りまいている在日米軍の居座りに加え、基地や訓練の大幅な強化を進めるものです。日米安保条約に基づく地位協定でも日本側に負担義務のない経費であり、きっぱり廃止に踏み出すべきです。

軍事費だけでなく

 17年度予算案の軍事費に含まれる「思いやり予算」は、16年度当初予算比で26億円増の1946億円(歳出ベース、以下同じ)となっています。内訳は、▽米軍基地で働く日本人従業員の給与などの労務費1486億円▽米軍基地で使用される光熱水費247億円▽米軍基地の施設整備費206億円▽米空母艦載機の離着陸訓練移転費8億円―です。

 「思いやり予算」を16年度から20年度までの5年間で総額9465億円(11年度〜15年度に比べ133億円増)にするという新たな日米特別協定(16年締結)に基づくものです。特別協定の交渉で日本側は当初、「米軍再編経費」の急増などを理由に減額を提案したとされていますが、最終的には米側の増額要求をのまされる結果に終わりました。

 一方、「米軍再編経費」も減るどころか、17年度の予算案は16年度比210億円増の2011億円で過去最高を更新しました。米軍への「思いやり」はとどまることを知りません。

 「米軍再編経費」は、日米両政府が06年に合意した在日米軍再編計画のための費用です。沖縄県名護市辺野古への最新鋭基地建設や、空母艦載機部隊の移駐に伴う米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)の増強など、米軍の海外出撃=“殴り込み”の一大拠点として抜本的に強化することが狙いです。

 今月に入り、沖縄の民意に逆らい、工事の再開が強行されている辺野古の新基地建設費は17年度予算案で536億円、今年後半からの空母艦載機の段階的な移駐が発表された岩国基地の増強費は902億円に上っています。沖縄や岩国など各地で進む米軍基地の強化のために国民の血税が使われるのは許されません。

 この他、沖縄の基地問題に関し日米両政府が1996年に合意したSACO最終報告を実施するための「SACO経費」は28億円で、米海兵隊の実弾砲撃演習の本土への移転費などが中心です。

地位協定にも反する

 「思いやり予算」や「米軍再編経費」、「SACO経費」は、「日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費」は「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」とした地位協定の規定(第24条)に明確に反しています。

 今月20日に就任するトランプ新米大統領は選挙期間中、在日米軍の駐留経費を日本側が全額負担することにも言及しています。「日米同盟」を絶対視し、世界でも異常に突出している米軍関係経費負担を増やし続ける安倍晋三政権の対米従属姿勢を根底から改めることが必要です。


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