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2017年1月14日(土)

学校給食無償 55市町村で

喜ぶ保護者、若い世代の定住期待

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 公立小学校や中学校の給食費の保護者負担を全額補助して無償にする市町村が少なくとも55あることが本紙の調査で分かりました。うち9割がこの6年間で無償にしています。新たに2市町が今春から始めます。給食費の一部を補助する市町村が少なくとも362あることも明らかになりました。憲法は「義務教育の無償」を明記しており、学校関係者は「国の責任で保障すべきだ」と声をあげています。


一部補助362市町村

 文部科学省の調査によると給食費の保護者負担の1カ月当たりの平均額は小学校で4266円、中学校が4882円です。

 本紙が全都道府県教育委員会に、「全額補助」と「一部補助」の実施自治体を尋ね、全額補助している自治体には個別に取材したうえで状況をまとめました。

 給食費を全額補助しているのは北海道三笠、栃木県大田原、滋賀県長浜、兵庫県相生の4市と28町23村。大半が小中学校とも対象にしていますが、三笠、長浜の2市と1町1村は小学校のみです。開始時期は15年度が最も多く、11年度から16年度の6年間で大きく広がっています。今春から群馬県みどり市と1町が実施予定です。

 教育委員会や給食センターの担当者は、保護者の反応として「負担が軽減され、大変喜ばれている」と回答。若い世代の定住や転入に効果を期待しています。大田原市の保護者アンケートでは9割が継続を望んでいます。

 半額補助や多子世帯の補助、産地食材の使用の補助など、給食費の保護者負担を部分的に補助する市町村も広がっています。一部補助を実施している自治体の状況について38道府県教育委員会が回答。県内に全額補助の自治体がない茨城でも22、同様に千葉、愛知、福岡でも10以上の市町村が一部補助を実施しています。

 全額補助と一部補助の自治体を合わせると全1741市区町村のうち、少なくとも417市町村ありました。

 日本共産党は地方議会で学校給食費の無償化をとりあげています。各地の県議会では県内自治体の実施状況を具体的に示して、県として市町村の無償化を支援すべきだと求めています。


国の責任で無償化を

全日本教職員組合副委員長中村尚史さん

 学校給食法は食育の推進をかかげています。また、憲法26条は「義務教育は、これを無償とする」としています。給食費が払えずに肩身の狭い思いをしたり、生活費を切り詰めて給食費をねん出するなど、子どもたちや家庭に大きな負担となっています。こうした実態を受け、地方自治体の独自施策での無償化が広がっていることは、子どもや家庭を励ますものです。一方で、自治体による格差が広がっていることも現実です。日本で学ぶすべての子どもたちが安心して学校給食を食べることができるように国の責任による学校給食費の無償化が喫緊の課題です。

給食を無償にしている市町村

開始時期   市町村

1948年ごろ  山口県和木町

 76年度   東京都御蔵島村

2006年度   北海道三笠市※

 09年度   宮崎県諸塚村

 10年度   群馬県南牧村、長野県王滝村

 11年度   群馬県上野村、群馬県神流町、埼玉県滑川町、兵庫県相生市、沖縄県嘉手納町

 12年度   秋田県八郎潟町、栃木県大田原市、山梨県早川町、山梨県丹波山村、奈良県黒滝村、奈良県上北山村、沖縄県渡名喜村

 13年度   北海道美瑛町、青森県七戸町、青森県新郷村、福井県永平寺町、岐阜県岐南町、奈良県野迫川村、和歌山県高野町

 14年度   北海道上ノ国町、青森県六ケ所村、秋田県東成瀬村、福島県金山町、東京都奥多摩町、熊本県山江村、沖縄県粟国村、沖縄県与那国町、沖縄県多良間村

 15年度   北海道木古内町、北海道小清水町、北海道陸別町、北海道足寄町、北海道浦幌町、青森県南部町、埼玉県小鹿野町、東京都利島村、長野県売木村、京都府伊根町、和歌山県北山村、島根県吉賀町、佐賀県太良町、熊本県水上村

 16年度   宮城県七ケ宿町、群馬県嬬恋村、長野県平谷村※、滋賀県長浜市※、和歌山県古座川町※、広島県神石高原町、鹿児島県宇検村

 17年度予定 群馬県みどり市、鹿児島県長島町

※印は小学校のみ


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