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2017年1月13日(金)

きょうの潮流

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 いよいよというときに使う、とっておきの手段は「天下の宝刀」。そう答えた人が3割超も―。数年前の国語に関する世論調査でこんな結果が表れました▼正解の「伝家の宝刀」は家に代々伝わる大切な刀が転じ、ここぞというときの“切り札”を意味します。何度も抜くようでは、使い方がまちがっています。しかし意図的に誤用する人が昔からいました▼「治安維持法は伝家の宝刀に過ぎぬ」。あの悪名高き戦前の弾圧法が施行される直前、当時の東京朝日新聞は警視庁当局の見解を伝え、そんな大見出しをつけました。さらに「社会運動が同法案のため抑圧せられる事はない」と▼世間の人が心配するほどのものではないと安心させ、警保局長は「純真な運動を傷つけはせぬ」と断言。しかしそれが国民を欺くものであったことは、主権在民や反戦の考えをもっただけで逮捕され、拷問され、殺された数々の犠牲者が証明しています▼いままた安倍首相は治安維持法の現代版といわれる共謀罪を国会に出そうとたくらんでいます。姑息(こそく)にも名前を変え、成立なしに東京五輪は開けないと脅しながら。「犯行」を話し合っただけで罰せられる中身は変わらず、矛先は生活や平和を守る市民の運動まで▼「一般の方々は対象外」という菅官房長官。では、彼らが取り締まる対象とは。それは歴史が雄弁に物語っています。秘密法や戦争法、盗聴法につづく共謀罪。誤った「国家=天下の宝刀」を次々に抜く政権。行き着く先はふたたび破滅の道です。


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