2017年1月13日(金)
米国有利な貿易協定へ
当選後初 トランプ次期大統領会見
【ワシントン=洞口昇幸】トランプ次期米大統領は11日、昨年11月の大統領選後初めて記者会見をニューヨークで行いました。日本や中国などに対する貿易赤字に不満を示し、国内の雇用創出や貿易協定の見直しに取り組むことを表明。南シナ海問題での中国の行動を非難しました。一方、差別的と批判の強いメキシコ国境沿いの「壁」を早期に建設すると明言しました。
トランプ氏は「神が創造した最大の雇用創出者になる」と宣言。自動車大手フォードがメキシコ工場建設計画を撤回し、米ミシガン州に工場を建設すると強調。国外に工場移転する企業は「国境で巨額の税を支払うだろう」と警告しました。
通商面では、これまで表明してきた北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉や環太平洋連携協定(TPP)の離脱については直接言及しませんでしたが、「われわれの貿易協定は大惨事になっている」と述べ、貿易協定をいっそう米国に有利になるよう変える姿勢を示しました。
中国が南シナ海で造成した人工島の軍事拠点化については、「経済的にも、南シナ海での巨大な要塞(ようさい)建設によっても、われわれに完全に付け込んでいる」と非難しました。
不法移民対策として公約した壁建設の費用をメキシコ政府に支払わせる交渉を、20日の大統領就任後直ちに始めると述べました。(関連記事)