2017年1月8日(日)
困りごと、住民で解決を
厚労省検討会 国・自治体の負担ふれず
厚生労働省の「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)」(座長・原田正樹日本福祉大学教授)はこのほど、中間とりまとめを発表しました。
同会は、安倍内閣の「1億総活躍プラン」で掲げた「地域共生社会」の実現に向けた具体策を検討。自治体などで、福祉活動などに取り組む人が多数参加しています。中間とりまとめを受けて、厚労省は、通常国会に提出する介護保険法改定案に盛り込む方針。
中間とりまとめは、子育て、介護、障害、病気、就労など住民が抱えるさまざまな困りごとを地域住民が「わが事」「丸ごと」受け止めて解決に取り組む体制づくりを提案しています。(1)他人事を「わが事」に変える働きかけが必要(2)課題を丸ごと受け止める場を設ける(3)解決に取り組む関係者の中核を担う機関をつくる―と打ち出しています。自治体の地域福祉計画にも体制整備を記載するよう求めています。
一方で、国や自治体の役割については、自治体が体制構築の「最終的な責任を持つ」としているだけで具体策はなく、国も関係者との「共通認識を持てるような働きかけ」などにとどまっています。
社会福祉法人に対しては、「高齢、障害、子どもといった対象を問わない相談を行う」「既存の福祉サービスにはない取り組みを行う」と求めています。今年4月から、すべての社会福祉法人に「地域公益活動」が義務化されるのを受けてのものです。
財源については「寄付文化の醸成」を提案。共同募金、インターネットの活用など「多様な寄付のあり方を検討していく」としています。国や自治体の負担については言及していません。