2017年1月5日(木)
中・低所得者 大学無料に
米NY州知事が計画発表
【ワシントン=洞口昇幸】米ニューヨーク州のクオモ知事(民主党)は3日、同州に住む中・低所得の世帯に対して州内の公立大学の授業料を無料にする計画を発表しました。発表の場には、昨年の大統領選で公立大学の授業料無償化を公約したバーニー・サンダース上院議員が同席し、同計画を「画期的だ」とたたえました。
計画は州議会の承認が必要で、今年秋の開始を目指すとしています。無料化するのは、公立2年制大学(コミュニティー・カレッジ)や州立大学、ニューヨーク市立大学。
対象となる世帯は、開始時点で年収10万ドル(約1177万円)以下、2018年からは同11万ドル(約1295万円)以下、19年からは同12万5000ドル(約1471万円)以下。94万世帯以上が対象になる見込みです。
年間授業料はコミュニティー・カレッジが4350ドル(約51万円)、州立大学が同6470ドル(約76万円)、同市立大学が同6330ドル(約75万円)です。
ニューヨーク市のラガーディア・コミュニティー・カレッジで計画を発表したクオモ氏は、十分な給与の職業に就くには大学教育が不可欠であるにもかかわらず、多くの学生が高額な授業料を払えず、借金に苦しんでいると指摘。「これは公正ではなく、正しくない」と強調しました。
サンダース氏は、「クオモ知事の提案は高等教育のための画期的な考えだ。これはニューヨーク州だけでなく、米国全体に拡大するだろう」と述べました。