2017年1月4日(水)
国立大学の運営費交付金
基幹経費 前年度比21億円減
国策に沿う大学・研究へ再配分 17年度予算案
2017年度予算案で国立大学の運営費交付金は16年度に比べて0・2%増の1兆971億円(26億円増)となっていますが、人件費など基盤的な経費にかかる基幹経費は16年度比で21億円減っています。「大学改革」を進める新設補助金(機能強化促進費)に45億円を回すなどするためです。
新設補助金は、学部新設などにかかる設備投資や人件費などを支援。再配分後の基幹経費は16年度の9113億円に対し、17年度は9092億円となります。
安倍政権は16年度から「国立大の機能強化」として基幹経費の1%を削り、その半分を「機能強化促進経費」として、各大学を3類型化して再配分する仕組みを導入しました。
17年度は約110億円を再配分。このうち45億円が新設補助金に、残り65億円が促進経費に回ります。各大学は(1)地域のニーズに応える研究(2)分野ごとの優れた研究(3)世界的研究―から選択。文科省が審査し、評価に応じて傾斜配分します。促進経費は全体で861億円が計上されています。
運営費交付金の見直しは、国策に沿う大学や分野を選別して支援する一方、人文科学や教員養成系を廃止・縮小する狙いがあります。
16年度の運営費交付金は再配分の結果、全国86大学のうち、京都教育大や金沢大など43校で24・5%〜3%の減額となりました。教育大や地方大の減額が目立ち、政府の狙いを裏付ける結果となりました。
一方、私立大学等経常費補助は、16年度と同額の3153億円。このうち大学の運営に不可欠な経常的経費を支援する一般補助は約13億円減の2689億円となっています。
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