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2016年12月26日(月)

介護保険見直し案

負担増・保険外し今後も 介護保険部会

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 社会保障審議会の介護保険部会が介護保険制度の見直しの意見書を出しました(9日)。その中身を見てみると―。

自己負担3割へ

 「持続可能性」を理由に、“給付と負担のバランスをとる”として、単身世帯の場合で収入383万円以上、2人以上で520万円以上の人の自己負担額を3割に引き上げます。約14万人が対象になるとしています。

 すでに単身で年金収入のみで280万円以上など一定所得者は昨年8月に1割負担から2割負担に引き上げられたばかりです。これまで1割だった負担が2割、3割に広がり、サービス抑制をひどくするものです。

 厚労省は2割引き上げの際に「月額上限があるため全員が2倍になるわけではない」と説明してきましたが、今回、「高額介護サービス費」の自己負担上限額も月3万7200円から4万4400円に引き上げられ、2倍以上の負担になる人も出てきます。

「総報酬割」導入

 40歳〜64歳が負担する介護保険料に、年収に応じて支払う「総報酬割」を17年度から段階的に導入します。大企業の健保組合や公務員が加入する共済組合の保険料負担が増えます。健保組合では、平均収入456万円の人で727円増の月5852円になります。これにより協会けんぽの負担軽減のために国が支出していた年1450億円の補助を削減できる狙いです。

 福祉用具・住宅改修の原則自己負担化、要介護1・2の生活援助や通所介護を保険給付から外し「総合事業」に移行することやケアプラン作成の有料化は世論の反対を受け見送り、引き続き検討となりました。しかし、18年度報酬改定で生活援助に対する人員基準の緩和が盛り込まれました。さらに財務・厚労両相合意では、新たに通所介護などの「給付適正化」も18年度に行うとして、サービス抑制が狙われています。これは部会の意見にも盛り込まれていないものです。

具体的支援なし

 要支援1・2の人の訪問・通所介護を自治体の事業に移す「総合事業」では、国が評価指標を定め、自己評価を義務付けます。

 総合事業へ移行した自治体は昨年4月施行から1年以上たっても3分の1(16年4月)どまりです。最大の原因は事業者やボランティアを確保できないことですが、国からの具体的な支援は盛り込まれていません。

 介護費用などの「地域差」縮小を掲げて、市町村に他の自治体と比較し自己評価させ、給付費や要介護認定を自ら引き下げさせていく仕組みをつくります。財政優遇(インセンティブ)措置も導入するとしており、必要なサービスが受けられない事態につながる危険を抱えています。

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