2016年12月24日(土)
「重層長屋」安全条例違反か 東京・足立
池内衆院議員ら現地調査
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問題となっている「重層長屋」の実態を把握するため、日本共産党の池内さおり衆院議員が23日、東京都足立区を現地調査しました。党足立区議団も同行しました。
「重層長屋」は、平屋が横に並ぶ「長屋」とは異なり、部屋が縦に積み重なっているのが特徴。マンションなどでみられる共用の廊下や階段、エレベーターはなく、出入り口は各戸(部屋)の玄関のみです。
同区西竹の塚で建設中の「重層長屋」は、合計62戸と大規模で100人以上が居住すると推定されます。しかし、敷地内通路から公道へ通じる道路がたった一つで、幅員も1・8メートル未満(最小1・5メートル)しかありません。災害発生時に、長屋居住者をはじめ近隣住民の避難や火災の消火活動に困難をきたす危険性があります。東京都建築安全条例で規定されている「長屋の出入り口から道路への敷地内通路は幅員2メートル以上」に反している可能性もあります。
建設を依頼した土地の持ち主は、「2階建てを依頼したのにロフト付きと聞き、メーカーに間取りを請求したが一切出さないんですよ」と心配していました。針谷みきお区議は「かなり(設計が)荒いと思われる。だから、図面も提出しない」と不審点を指摘しました。
池内議員は「住環境も悪いし、住まいは人権という観点が抜けている」と批判しました。
解説
急増 求められる規制
「重層長屋」は東京都では足立区のほか、世田谷、練馬など7行政区に広がっています。
こうした安全性を考慮しない大規模長屋の建設計画が各地で持ち上がり急増しているにもかかわらず、「東京都建築安全条例」では、準耐火建築物の長屋に対する戸数制限がありません。
足立区議会は22日の本会議で「東京都建築安全条例を見直し、重層長屋の規制を強化する意見書」を全会一致で可決しました。
「重層長屋」を放置すると各地に広がるおそれがあります。早急に建築基準法や自治体条例による規制強化が求められています。(党国民運動委員会・高瀬康正)