2016年12月22日(木)
定額負担拡大、生活援助外し
財務・厚労両相 医療・介護 検討で合意
麻生太郎財務相と塩崎恭久厚生労働相が行った、2017年度予算に関する閣僚折衝(19日)では、医療と介護で18年度以降に実施する新たな負担増や給付削減の検討項目について合意しました。
共通番号(マイナンバー)制度を活用して、預貯金など国民の金融資産を把握。それをもとに保険料負担に反映させていくことを18年度末までに検討します。介護ではすでに一定の預貯金がある施設入所者には補足給付の打ち切りを実施しており、この手法を厚労省が全体に広げる狙いです。
500床以上の大病院に導入した紹介状なしの受診に対する定額負担について、対象病院を拡大することを17年末までに検討。また、「かかりつけ医」以外を受診した場合に窓口負担に加えて1回数百円の定額負担を導入することを18年度末までに検討するとしていますが、日本医師会などが受診抑制につながると強く反対してきたものです。
痛み止めや湿布薬など「市販類似薬」とされる薬剤について、自己負担の引き上げや保険給付外しを18年度末までに検討し、措置するとしています。
介護保険では、サービス抑制を狙って、通所介護などその他の給付を“適正化”するとして、18年度の報酬改定で給付を見直し、自己負担増や保険外しについて検討することを盛り込みました。介護保険部会のとりまとめにも盛り込まれていなかったものです。
さらに、反対世論に押されて見送りとなった要介護1、2の人に対する生活援助サービスや通所介護などを保険給付から外し、自治体の総合事業への移行について19年度末までに結論を出すとしています。
さらに要介護認定の減少、介護給付費削減の成果指標を活用した自治体に対して財政優遇(インセンティブ)を18年4月から導入するとしています。介護費の削減競争に自治体を駆り立てるものです。
2018年度以降に検討・導入する医療・介護の見直し項目
・金融資産の保有に応じた負担の見直し
・紹介状なしの大病院受診時の定額負担の対象病院拡大
・かかりつけ医以外受診時の定額負担の導入
・市販類似薬の保険給付見直し
・通所介護などの保険給付外し
・要介護1、2の生活援助を総合事業へ移行
・介護給付費などを削減した自治体への財政優遇