2016年12月19日(月)
共産党都議団 都政動かす
都議会閉会 論戦を振り返る
具体的提案、要求実現に力
東京都議会第4回定例会が15日に閉会しました。日本共産党都議団は、焦点の築地市場の豊洲移転問題、2020年東京五輪の会場整備問題や、子育てなど暮らしの問題で、党独自の具体的な提案を行い、小池百合子知事が進める都民の願いにこたえる取り組みは応援するなど、都政を動かし、都民要求実現に力を尽くしました。
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豊洲移転
全国の関心を集める豊洲問題。里吉ゆみ都議は7日の代表質問で、都が新市場予定地内の土壌と地下水は「汚染物質をすべて除去した」と説明しているが、取り除いたのは調査で汚染が見つかったところだけであり、「都民と都議会に対する虚偽説明だ」と批判。小池知事は、除去したのは調査で見つかった汚染物質だけであることを認めました。
里吉都議は、盛り土をし、地下水を管理するという土壌汚染対策が破綻し、今も建物下の地下空間から環境基準を上回るベンゼンやヒ素、水銀が検出されていると指摘。豊洲移転問題の抜本的再検討を提起しました。
また、石原慎太郎元知事が強引に買収を進めさせた結果、860億円に上る新市場予定地の土壌汚染処理費用のうち東京ガスの負担はわずか78億円で、残りはすべて都が負担したこと、土地購入価格も土壌汚染がないものと評価して1859憶円という高値になったことを批判。用地取得に関わった石原元知事、浜渦武生元副知事からの聴取を要求しました。
小池知事は「ご指摘について真摯(しんし)に考えていきたい」と答えました。
豊洲新市場の施設建設工事などで官製談合の疑惑が指摘されています。尾崎あや子都議は、8日の一般質問で第三者機関の「入札監視委員会」の歴代委員長3人がいずれも都財務局の幹部OBであることを挙げ、「監視委は第三者機関にふさわしく、委員には都庁の職員であった者は選任しないのが当然のあり方ではないか」と改革を求めました。
小池知事は「都民の目から見て、選任自体に公正性が疑われるようなことは避けるべきであり、委員長を含めた委員について都のOBではない学識経験者から選定するよう指示をした」と答えました。
一方、自民党は、「一日でも早く、一分でも早く、安全宣言をしていただいて、豊洲市場の開場を強く求めたい」(和泉武彦都議、2日の豊洲市場移転問題特別委員会)などと、小池知事に早期移転の決断を迫りました。
五輪経費
高騰する東京五輪の経費問題について、里吉都議は代表質問で、増大が懸念されている総費用の削減と透明化を求めました。
小池知事は総費用の削減に向け「不断に経費を精査し、順次、大会予算に反映させていく」と答弁。共産党都議団が提案したロンドン大会の事例を参考に、「実効性ある枠組みを構築する」としました。
子育て
深刻な保育園の待機児童問題の解決に向け、里吉都議は7日の代表質問で、就学前の子どもの50%受け入れを目指し、4年間で9万人分の認可保育園増設を要求。「保育士不足の最大の原因は賃金の低さ」だとして、保育士の処遇改善のための補助の大幅拡充を求めました。
小池知事は、年内に策定する「2020年に向けた実行プラン」の中で保育サービスの整備目標を定めると表明。補助について「さらに充実を検討していく」と答えました。
議会改革
党都議団は、5会派共同で議員の期末手当を据え置く条例案を提案。また、6会派で共同提案し、2年近く継続審査とされ続けている費用弁償改正案について採決を求めました。
自民、公明、都議会民進党(旧民主)などは、まともな理由も示さずに期末手当据え置き条例案を否決。費用弁償改正案も、今回も継続審査として引き続き棚ざらしにしました。
共産党の米倉春奈都議は、閉会日の本会議討論で「都民の暮らしの困難が増大している中で、都議の期末手当の引き上げは都民の納得を得られるものでない」と、自公などの対応を批判しました。