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2016年12月17日(土)

主張

個人消費の低迷

収入増やし立て直すこと急務

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 年末を迎え、家計のふところ具合が気にかかる季節ですが、間もなく4年になる安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」のもとでの家計収入の伸び悩み、消費の低迷は深刻です。政府の統計でも勤労者の実質賃金は、今年初めから前年同月を上回っていたのが10月には横ばいに転じ、家計の消費支出は1年以上にわたって実質マイナスを続けています。「アベノミクス」で大企業のもうけや内部留保が増えても賃金は十分増えていないためで、国民の収入を増やし、消費を立て直すことがいよいよ差し迫った課題となっています。

政府の経済統計でも

 今週新たに発表された日本銀行の全国企業短期経済観測調査(短観、12月分)によると、企業の業況判断指数(DI)は大企業製造業が1年半ぶりに改善したものの、先行きの見通しでは製造業、非製造業とも悪化を予測、依然不安定なことが明らかになりました。とりわけ大企業の非製造業のうち、「小売り」や「物品賃貸」「宿泊・飲食サービス」などの業況判断が悪化しており、消費の不振が長引いて、企業の活動にも影響していることを浮き彫りにしています。

 日銀の短観は調査対象が多く、調査時点から発表までほとんど間がないことから注目されている経済指標です。業況判断は「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いたもので、全体の判断は改善しても、中小企業製造業では「悪い」と答えた企業が多数です。

 日銀短観だけでなく、政府などが発表する一連の経済指標で顕著なのは、安倍政権の発足から4年近くたっても、勤労者など国民の収入は改善せず、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費が低迷を続けていることです。10月の毎月勤労統計調査(厚生労働省)では、勤労者の実質賃金がプラスから再び横ばいに後退、家計調査(総務省)では10月の実質消費支出が前年同月比0・4%の減少と、昨年9月以来「うるう年効果」が反映した2月を含め実質14カ月連続のマイナスとなっています。

 消費低迷の影響は日本経済の全体像を示すGDPの統計でも浮き彫りになっており、12月上旬に発表されたことし7〜9月期の第2次速報では全体の伸びが0・3%と1カ月前の第1次速報の0・5%より悪化しました。個人消費の伸びも0・3%で、財政支出と輸出に頼ったいびつな姿です。

 この4年近く、安倍政権の「アベノミクス」で大企業や大資産家はもうけを増やし、ため込みに回しても、国民の収入は増えず、消費は伸びません。安倍首相は雇用が改善しているといい続けていますが、増えているのは非正規など不安定な雇用ばかりで、国民の収入増に結び付いていません。賃上げなどで収入を増やし、消費を立て直すことがいよいよ急務です。

IMFも賃上げ求める

 世界のほとんどの国が参加する国際通貨基金(IMF)は先月末発表した報告で、デフレから脱却し経済を再活性化させるため消費者が支出を増やすことが必要な国にとって、賃金の引き上げが大きな効果を持つと最低賃金の引き上げなどを求め、「これは特に日本に当てはまる」と指摘しました。

 国民の収入を増やし消費を立て直すことは、世界経済の活性化のためにも、日本が担う責任です。


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