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2016年12月16日(金)

カジノ解禁推進法案

島津議員の反対討論

衆院本会議

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 日本共産党の島津幸広議員が15日未明の衆院本会議で行ったカジノ解禁推進法案に対する反対討論(要旨)は次の通りです。


写真

(写真)反対討論する島津幸広議員=15日午前1時15分ごろ、衆院本会議

 本法案は、ギャンブル依存症をはじめとしたカジノの規制策について、法の施行後1年を目途に政府が策定するとした実施法に丸投げしています。「カジノ解禁」だけを先に決め、多くの国民が心配していることに何もまともに答えていません。

 日本はすでに世界最悪のギャンブル依存大国です。カジノは、他のギャンブルに比べ依存症に誘導する危険が非常に高い「略奪的ギャンブル」と呼ばれる賭博です。世界各地のIR(統合型リゾート)型カジノで導入が進められている米国型の商業カジノは、収益の極大化をめざして依存症状態にするテクニックを凝縮させたものです。

 その手法は、時計も窓もない空間や刺激的な音楽等の演出で独自の陶酔感をつくりだし、短時間の賭けを繰り返し延々と続けさせます。大金を得る感覚と失う喪失感を交互に味わわせ、脳内に物質的依存症と同じ状態をつくりだし、「有り金が無くなるまで賭けさせる」というものです。

 カジノを解禁したら依存症患者が急増するのは火をみるより明らかです。ばく大な公費、カジノのあがりも使ってその対策をするというのはまさに「マッチ・ポンプ」。カジノを解禁しないことこそ一番の依存症対策です。

 さらに心配なのは青少年への影響です。提出者は「IRは国際会議場やホテル、レジャー施設などの一角にカジノがあるだけ」などといいます。しかし、それこそ大問題です。家族連れで行くところにカジノがある。青少年が賭博場に触れて育ったなら、どんな影響が出るか。今でも「依存症」という問題は、青少年に広範な影響を及ぼしています。

 カジノ産業は、いまや世界でも、アジアでも斜陽産業となっています。カジノに依存するまちづくりの危険は、米国で顕著にあらわれています。

 ラスベガスと並んでカジノの街と象徴されたニュージャージー州のアトランティックシティーでは、次々とカジノが倒産、3分の1が消滅する状態で、街の雇用や税収が失われています。カジノの設置で既存の産業や商業が破壊され、地域循環型経済やコミュニティーの崩壊が進んでいるのです。

 外国の例をみても、売春組織や闇金融は排除できません。それまで守ってきた観光資源が台無しとなり、「風光明媚(めいび)な街」が「賭博の街」となり、いったん壊れたイメージは取り返せません。地域経済活性化のためには、本来の地域資源、観光資源を生かす道にこそ、知恵と力を集中すべきです。

 本法案は、まさに国を滅ぼしかねない希代の悪法です。多くの国民の不安の声に答えず、圧倒的多数の反対を押し切って民営賭博・カジノを解禁するならば、取り返しのつかない大きな禍根を残すことになります。まさに百害あって一利なし。廃案にするしかありません。


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