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2016年12月15日(木)

カジノ解禁推進法案に対する大門議員の反対討論

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 日本共産党の大門実紀史議員が14日の参院本会議で行ったカジノ解禁推進法案に対する反対討論(要旨)は次の通りです。


 明治42年(1909年)、公営賭博法案である競馬法が初めて議会に提出されました。衆議院では圧倒的多数で通過しましたが、社会的悪影響を懸念した貴族院では見事、否決されました。現在の参議院も数々の懸念が示され、国民多数も反対している本法案を、きっぱり廃案にすべきです。

 本法案に反対する最大の理由は、この法案が、刑法で禁じられた犯罪行為である賭博を日本の歴史上はじめて民営賭博という形で合法化しようというものだからです。

 賭博は、歴史的に多くの事件や人々の不幸を招いてきました。対策をとれば防げるという類いの問題ではなく、行為そのものを禁じるしかない。そういう立法事実があったからこそ禁止されてきたのです。

 賭博を解禁しておいてギャンブル依存症を増やさない方法などどこにもありません。カジノを解禁している世界のどの国をみても、あるのは依存症になった後の事後処置だけ。カウンセリングや病院での治療だけです。依存症を増やさない唯一の方法は、カジノ・賭博そのものを解禁しないことです。

 本法案の核心である民営賭博の解禁が、刑法に照らして本当に許されるものなのか。従来、法務省は厳しい要件を示し、公的主体に限り、競馬法や競輪法などの特別法を定めて賭博を認めてきました。本法案のように完全民営の賭博を認めることは、今までの法務省の刑法解釈からすれば不可能です。万が一、民営賭博を認めることになれば、憲法の解釈を勝手に変えて安保法制=戦争法を強行したと同じように、刑法そのものの趣旨を踏みにじる暴挙となることを厳しく指摘します。

 提出者は、一貫してカジノが経済成長の起爆剤などと言ってきました。しかし、賭博は新たな価値を生むものではなく、人のお金をまきあげる所業であり、経済対策と呼ぶような代物ではありません。雇用が増えるといいますが、増えた雇用の何倍もの人生が台無しにされることを忘れてはなりません。

 IR(統合型リゾート)の目的は本当に「観光立国」なのか。カジノ推進派のシンクタンクである大阪商業大学の谷岡一郎学長は、カジノによって「高齢者のタンス預金など世の中に出にくいお金が回り始めることが期待される」と言い放ちました。ターゲットは外国人観光客ではなく、日本人の貯蓄、金融資産だということです。

 この間、ラスベガスやマカオなどの海外資本が日本のカジノへの投資意欲を示しており、「日本の個人資産は魅力的な対象である」と公言しています。

 カジノ解禁法案の本質は、「観光立国」でも「成長戦略」でもなく、日本人の貯蓄を特に海外のカジノ資本に差し出すことに他なりません。TPP(環太平洋連携協定)同様、売国的な法案だということを厳しく指摘します。


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