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2016年12月15日(木)

主張

オスプレイの墜落

危険な欠陥機は直ちに撤去を

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 沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)配備の垂直離着陸機MV22オスプレイ1機が同県名護市安部(あぶ)の沿岸部に墜落しました。防衛省は国内初の重大事故を小さく見せかけようと「不時着」と発表しましたが、安部沿岸の岩礁でバラバラに大破した無残な姿をさらす機体を見れば、墜落であることは明白です。2013年1月、沖縄県内全ての41市町村の首長と議会議長、県議らから配備撤回を求める「建白書」を手渡された安倍晋三首相をはじめ日本政府が、オスプレイの「安全性」を繰り返し宣伝し、配備を進んで容認してきた責任は極めて重大です。

沖縄全域で県民を脅かす

 開発段階から相次いで墜落死亡事故を起こし、「欠陥機」と呼ばれてきたオスプレイは現在、普天間基地に24機が配備されています。12年9月に10万人以上が参加した「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」の開催や13年1月の「建白書」提出などに示された沖縄の民意を乱暴に踏みにじり、12年から13年にかけて強行されました。

 オスプレイ配備反対が「オール沖縄」の声になったのは、騒音被害や墜落など事故の危険が沖縄全域に及び、県民の命と暮らしを脅かすことが強く懸念されたためです。米海兵隊が12年に発表した報告書(環境レビュー)では、オスプレイは沖縄本島のほぼ全域や伊江島に広がる米軍ヘリ着陸帯の大半(69カ所)を使うことが明らかになっていました。

 今回、オスプレイが墜落した名護市安部の沿岸部は、安倍政権が普天間基地に代わる新基地建設を狙う同市辺野古の目と鼻の先です。オスプレイを県内のどこに配備しようが、沖縄全域が事故の危険にさらされることを証明するとともに、普天間基地の「危険性除去」のために新基地が必要だという安倍政権の口実に全く道理がないことを示しています。

 しかも、安倍政権が建設強行をもくろむ辺野古の新基地は、隣接する海兵隊基地キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなどと一体的に運用される最新鋭の巨大基地になります。東村高江で強行されている北部訓練場のヘリ着陸帯の新設などと合わせ、現在、大問題になっている住宅地上空の物資つり下げ(宜野座村)や夜間飛行などオスプレイの危険な訓練が激化することは間違いありません。

 普天間基地配備のオスプレイは、横田基地(東京都)、厚木基地(神奈川県)、キャンプ富士(静岡県)、岩国基地(山口県)などにも飛来し、訓練を繰り返しています。横田基地には、米空軍の特殊作戦用のCV22オスプレイ10機の配備も計画されています。

 今回の墜落事故は沖縄にとどまらず、全国各地の住民の安全にも関わる大問題です。

全国に危険を広げる政府

 安倍政権が既に陸上自衛隊へのMV22オスプレイ17機導入を決め、佐賀空港(佐賀県)への配備を狙っていることは重大です。陸自木更津基地(千葉県)には日米共同のオスプレイ整備拠点を建設しようとしています。

 安倍首相は今回の事故を受けても「飛行の安全確保が大前提だ」と述べるだけで、オスプレイ配備容認の姿勢を変えようとしません。沖縄と全国が連帯し、オスプレイの飛行中止、配備撤回を求めるたたかいを広げることが急務です。


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